手が届くか届かないか 1113

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みなさま こんばんは

お元気ですか?

木曜日から金曜日にかけて泊りで感謝祭の打ち上げをしました。

先週参加させてもらった森の感謝祭で売り上げたお金の半分を使って子どもたちがお楽しみお泊り会を企画して実行しました。

最初は「夜通し寝ないでどんちゃん騒ぎがしたい」

なんてことを言っていて、子どもたちのやりたいことはやらせてあげたいという気持ちはありつつも、やっぱりおとなのスタッフである僕が「それは良い」と思えないことは応援出来ないなという、心のモヤモヤを全員参加の会で共有させてもらって、「みんなが気持ちいいと感じるお泊り」だったら出来るという風に話をしました。

どこまで許容できるか、人によってその線はまちまちかもしれませんが、やっぱり誰かが無理をして何かをしても楽しくはないのでそこは気持ちを伝えさせてもらいました。

集団での生活なので自分の好き勝手、子どもの好き勝手にいつも出来るというわけではありません。

スタッフ(僕)が「これは良い」と胸を張って言えないようなことはなかなか許容出来ないな、その想いはみんなに伝えたら良いんだな、という風に思いました。

「新田のロッジは寒いよぉ」

と散々言い散らかしてからのロッジのお泊りでした。

木曜日普段のサドベリーが終わってからも、引き続きサドベリー。

焚き火をしたり、ぼちぼち4時半ごろからBBQの準備をしたり。

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IMG_2607いつもよりゆっくりたっぷり時間があるのでゆるやかに過ごすメンバー

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最近のHmくんは算数のドリルをノートに書きながら解いていくというのがブームなようです。

毎日毎日取り組んでいる姿が見受けられます。

なんか「ザ・教科学習」しているから良し、ということも無いのですが、へぇ面白いんだなぁって思いながら見ています。

Hmくんは数字に関する興味は春から一貫してありますし、「教科学習」も楽しんで取り組んでいるように見えます。

最近では掛け算も口をついて出てきたりします。

IMG_2606本を読んでもらったり

カルタをしてみたり。

カルタとかはもう大人子ども関係ないですね。

本気出しても6歳のMiちゃんに負けてしまったりします。

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どういうわけかノミと玄翁に興味を示したRkちゃん。

誰が教えたわけでも勧めたわけでもないけれど木を削って楽しんでいました。

削り跡を見て「わぁ、木ってきれいだねぇ」と目を輝かせながら伝えてくれたり、次は雨で濡れて色が変わってしまった木を削って「外は汚いけれど、中はきれいなんだねぇ」と自分の発見を伝えてくれたり。

割とシティ感覚な彼女が段々と自然の中に身を置くことによって変化していく様子が見ていてとても楽しいですし、指示されることに慣れている彼女に対して「指示しない」ことによって育まれる彼女の自主性に身近で感じれることに対して今僕は喜びを感じています。

ホントに彼女の中にあるものがどんどん変化していくのを感じます。

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炭をフーッと吹いて赤く燃える様が、「セミの抜け殻みたいだよぉ」と嬉しそうに友達に伝える彼女。

視点が面白いなぁって感じます。

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子どもたちは自分たちでかまどを作り、BBQを楽しんでいました。

自分たちでやる事に対して喜々としている様は見ていてこちらまで嬉しくなります。

自分たちでやりたいんだ。

自分たちで夜を過ごしたいんだ。

子どもたちの心がどんどん満たされ、そしてその場を共有している子たちのチームワークがどんどん良くなるのを感じました。

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IMG_2631ご飯食べて、真っ暗な中懐中電灯片手に神社に肝試しに行って、帰って皆で花火して。

大人が決めたプログラムは一つも無く、子どもたちがやりたいと言っていたBBQ・肝試し・花火を自分たちでコーディネートしてデザインして進めていく。

「7時半過ぎたらロッジの周りで過ごそうね」と肝試しに移行しようとする子どもたちにさえちゃんが声掛け。

近隣の人の事も気遣いながら。

7時半を過ぎてから花火を周りでして、後片付けをして8時過ぎにはロッジに入る子どもたち。

女子は下の部屋、男子は上の部屋とそれぞれの部屋に分かれてゴソゴソ。

早く寝たい人用にリビングを薄暗くして、「ゴソゴソするのは良いけれど早く寝たい人は寝かせてあげてね。」と声掛け。

自分(たち)のやりたいことと、周りと協調・調和すること。

そのバランスをそれぞれで感じながら。

夏のキャンプ同様、部屋にキレイに一列に寝袋を並べ消灯時間にはお休みを言って寝はじめる女子。

片や部屋にぐちゃぐちゃにモノが散乱したところに寝袋に潜り込んだ体を寄せ合い将棋をしたり、将棋の「金ころがし」で楽しんだりする男子。

消灯時間を過ぎても、しばらくコソコソコソコソとしていました。

ホントに性差を感じます。

違う生き物だ。

僕自身も家庭で妻を見る目が変わりましたし、自分が「しっかり」出来ないことに対して気持ちがちょっと楽になりました。笑(「しっかり」したい気持ちはあるんだよー!)

「寒いよ 寒いよ」

と口を酸っぱくして何日も前から伝えていた新田のロッジの寒さ。

子どもたちなりに工夫して暖まりながら寝付いていましたが、年少チームが夜中に寒くて起きてきました。

ストーブの前で体を温めてあげたり、寝袋に包みなおしてまた寝かしたり・・・。

一夜あけて、「新田のロッジの寒さに耐え元気に朝を迎えることが出来た。」とそれぞれの顔に満足感と自信が滲んでいました。

全部が全部快適に管理されているわけではない環境で、自分たちでその課題と向き合い乗り越えていく。

大げさかもしれないけれど、この1泊のお泊りで、子どもたちの中に沈澱したものが確かにあると手ごたえを感じるお泊りでした。

僕自身の人生を振り返ってみても、「大人(先生)が完全にコーディネートした枠の中で指示に従い何かを為す」という行為に対してよりも、「出来るか出来ないかやってみないとちょっと分からない部分があるなというところを感じつつ、自分で多くの失敗はしつつも何かを為す」という行為に対して、より自分の中に沈澱していく何かを感じることが多かったように思いますし、後者の方が今の自分の糧になっていることが大半です。

本当の「成功体験」ってこういうことかもなとこのお泊りを感じて思いました。

やってみたいって挑戦した結果、上手に出来たこともあれば、上手に出来なかった部分もあり、でもその体験が次に繋がる。

この最初の「やってみたい」が大事なんだろうと思います。

親元を離れて過ごすこと

決して万全とは言えない環境の中で1晩過ごしてみるということ

家ではなかなか出来ないちょっとした夜更かしをコソッとしてみるということ

それぞれにそれぞれの課題を抱きつつ臨んだお泊りだったかもしれません。

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朝はみんなで朝食を準備して「いただきます」しました。

大家族になったみたいで嬉しくなりました。

僕自身眠れずに大変なこともあるはありましたが、1晩過ごした後の、そして金曜日元気に家に帰る子どもたちの顔を見ながら、「良い時間だったなぁ」と感じました。

頻繁には出来ないかもしれないけれど、また特別な時に特別な思い出をこれからも一緒に積み重ねていけたら良いなと思います。