よくあるご質問

Q1.
子どもには、小さな挫折を経験させたい。やりたいことばかり取り組んでいると、難しいこと、壁にぶつからないのでは?

A
むしろ好きなことを突詰めて活動していると、必ずもっと難しいもの、高度なものに自然と挑戦していきます。それは子どもの内なる向上心からくるものです。やりたいことが必ずしも簡単であるということはありません。ちょっと難しいと思う事にも挑戦する姿が多々見られます。その中で小さな失敗・挫折はたくさん経験します。簡単な事ばかりの日常にはいつか必ず飽きがきます。子どもは常に「もっと出来るようになりたい。もっと知りたい。有用な人物になりたい。」といった向上心を持ち合わせている様に感じます。

例えば、、、
【MOD作り】
マインクラフトで遊んでいた生徒が、いつしか「もっとこういうアイテムがあった方が面白いのではないか?」という問いから、Mcreatorという英語のサイトをダウンロードして、英語を日本語に翻訳しながら、プログラミングをしながらアイテムを作りこんでいくという作業に発展していきました。マインクラフトというゲームを通じて、英語・プログラミング・データのアップロードなど色々な困難に直面しながらも粘り強く取り組んでいく姿がありました。
【ダンス・韓国語】
Twiceという人気韓国グループユニットの動画を熱心に視聴する女の子たち。いつの頃からか、自分たちのスクールでダンスユニットを結成し、Twiceのダンスを模倣し踊るようになったり、そこからさらにTwiceのメンバーが出演している韓国の番組を視聴するようになり、そこから「韓国語を勉強したい!」と教材をスクールの活動費で購入し、Facebookにて韓国語を教えてくれる先生を探し、週に1回韓国人の先生から韓国語を習うクラスを継続して行う姿が見られました。


Q2.
サドベリースクールを卒業して社会に出る際に社会とのギャップに苦しむのでは?自分の思い通りにならないというストレスが心配

A
サドベリースクールは自分の思うように時間を使って、いつも自由に思うがままと思われるかもしれません。ですが、集団活動の中ではやっぱり自分の思うようにならないことにも多々直面します。それをいかに自分にとって、相手にとって気持ちよく解決していくかというプロセスを小さい頃から経験し、積み重ねていくことは社会に出てからもプラスに働く力だと考えています。
例えば、、、
【問題解決の場としてのミーティング】
日々自分が過ごす環境で、不都合な事、気に入らないこと、困ったことなどがあればそれを話し合いを通じて解決していくミーティングの場があります。またやりたいこと、買いたいものなども話し合いを通じてみんなの承認を得ながら決定していきます。話し合いで解決、改善していくプロセスというのは社会に出てからも必要なスキルですし、どうしたらより良い環境になっていくかということを、挑戦していく機会がここにはあります。

年少の子が、年長の子や大人に対して物怖じせずに発言発信していく姿は見ていて清々しいものがあります。


Q3.
身近に実例が無いので、子どもを通わせるのが不安

A
新田サドベリースクールはアメリカのサドベリーバレースクールをモデルとして、その教育を智頭町で実践していこうと考えています。日本のサドベリースクールの歴史は25年程(2021年現在)ですが、サドベリースクール自体の歴史は60年にもなり、世界各地で実績を残しています。他のサドベリースクールと全く同じような成果が出てくるとは限りませんが、自分の人生に肯定的な人間が育つというのがサドベリースクールの1つ大きな特徴だと思っています。
子どもの育ちを信じ、子どもを見守ることを旨としています。欧米で先進的に行われているこのような教育なども視察しつつ、日本で、智頭町でどのようにするのが良いのかを常に検討しながら運営を試みています。

サドベリー・バレー・スクール
http://www.sudburyvalley.org/

 


Q4.
お昼はどのように食べていますか?

A
2016年9月より、給食制度をいったん休止し、全員お弁当を持参しています。好きな時に好きな場所で好きな人と一緒にお昼を食べています。月曜日と金曜日と土曜日には近所のパン屋さんにパンを買いに行く姿も見られます。食材を家から持参して台所で調理して食べる子もいます。遊びに熱中しすぎて帰宅する時間になって「あ!今日お昼食べてない!」と気付く子の姿もたまに見かけます。


Q5.
子どもが「勉強」を教えて欲しいときは対応してくれるのですか?

A
スタッフと子どもが話し合いをして、それぞれが良いように「勉強」の時間を設けます。子ども同士で学び合うこともありますし、身近な人間で対応できないようなことであれば、外部講師を探してきて対応します。

スクールで「勉強」する姿もあれば、「スクールでは友達と遊ぶ!家で「勉強」する!」と割り切って「勉強」する姿もあれば、塾に通う子がいたり、チャレンジタッチやその他オンライン教材で「勉強」する姿もあります。

色々な「勉強」のスタイルがあるのだと思いますし、その子にあった「勉強」のスタイルというのがあるのだと思います。

大人のスタッフは子どもたちに何かを求められることを待ち望んでいますが、意外と子どもたちだけで完結してしまうことの方がたくさんあるのかもしれません。

>>スタッフ一覧はこちら


Q6.
安全面はどこまでスタッフがサポートしますか?

A
安全管理はスタッフが1番に気にすることの1つだと考えています。1人で山や川へ行かないなど、なるべくそこにいるメンバーで安全を気にしながらルールを作っています。毎年年度の始めに「総合訓練」を行う様になっていたり、夏前には水難学会の先生を講師に「水難訓練」を行う様にしています。その他に、毎年子どもには保険に加入してもらいます。

今はスタッフの経験や技量によるところが大きくなっているのが現状ですが、今後誰がスタッフとして入っても同じように安心・安全のもと日常生活が送ることが出来るような訓練・研修・システムをスクールとして構築していくことを念頭に置いてやっています。


Q7.
家が鳥取なのですが、送迎はありますか?

A 
2021年度現在、スクールでの送迎は行っていません。過去には試験的に送迎システムを作ったことがありましたがニーズが無かったのでなくなりました。今後ニーズと照らし合わせながら送迎システムが出来る可能性はあります。現在鳥取からの生徒が複数人いますが、公共交通機関を使って通学してきてくれています。(今のところ新田サドベリースクールに通うことが地元の在籍する小・中学校での出席扱いには認められていませんので、学割定期が発行されません。出席扱いが認めれると学割定期が発行されるようになります。

 


Q8.
保護者とスクールの関わりはどのようなものですか?
A

2021年度は年に3回「茶話会」というものを計画しています。スクールから各家庭への報告などがあったり、参加者同士で様々なテーマについてざっくばらんにお話をする場です。

スクールの運営は基本的に普段毎日そこで過ごす子どもたち・スタッフで行っていますので保護者が現場に入ってということはありませんが、折に触れてスクールから保護者さんにお願いすることがあったり、相談することはあります。

小さなスクールですので、保護者の力も結集させながら子どもたちの学びの場を共に創出していけたら良いなと考えています。

保護者主体の「おしゃべりーの会」が開催されたり、「勉強会」が開催されたりすることもあります。


Q9.
子ども達はルールを守りますか?

A

押し付けられたルールではなく、自分たちで考え決めたルールなので概ねみんなでルールを守りながら生活しています。時にルールを守れないときがありますが、その時は「ルール違反の紙」に書いてその行いを訴えることが出来ます。ルール違反の紙に書かれて訴えがあった場合は、スタッフ1名生徒2名からなる「相談員」が事実確認を行い、「今後どのようにしたらそのようなルール違反が起こらないか」ということを念頭に関係者集めて話し合われます。場合によっては罰を課されることもあります。

まだ字が満足に書けない子は年上の子やスタッフに頼んで代筆してもらう姿も見られます。

全てのルールは新サ会(スクールミーティング)を通じてみんなの合意を得て作られるルールです。その場がより快適に、そして自由になる為に作られるものが多いです。

 


Q10.
お菓子やテレビゲームについても自由ですか?

A

2021年現在、お菓子についての制限のルールはありません。(「お菓子のゴミはすぐにゴミ箱に捨てる」というルールはありますが。)テレビゲーム(モバイルゲームなど)については、生徒たち自ら「週に1日はノーメディアの日を作ろう!」と週に1日(今年度は月曜日)テレビゲーム無しの日があります。

開校当初「既成のお菓子は持ってこない」「テレビゲームは禁止」というルール(開校当初のスタッフの想いで作ったルール)がありましたが、子ども達の「なんでお菓子持って来ちゃダメなの?」、「テレビゲームもしたいな。」という意見から何度もミーティングを重ね、それぞれ段階的に規制が緩んできて、開校して1年が経つころにはそれらのルールはなくなりました。

家庭によってはお菓子やテレビゲームに抵抗感があるかもしれませんが、そこら辺も家庭でよくよく話してもらい家庭毎に折り合いをつけていっているかと思います。

※その時その時によってルールは変遷していきます。5年前と今とではルールは変わっていますし、今と5年後を比べても変わっているかと思います。変わらないことは「ルールは新サ会でもってみんなの合意のもと作られたり、変わったり、なくなったりする。」という新田サドベリースクールの核となる部分です。

 


Q10.
子どもが「発達障害」と診断されて、このまま学校に通う事よりもどこか別の場所の方が良いと思っています。新田サドベリースクールに入学出来ますか?

A

診断名で入学の可否が決まることはありません。どの子も例外なく入学を検討される際には5日間の体験に来ていただいています。

新田サドベリースクールの環境がその子にとって「良い」ものかどうか、見学・体験を通じてその子本人・保護者さんに判断してもらえたらと思います。

スタッフとして働く条件の中に特定の技能であったり資格(普通免許くらい)というものはありません。スタッフ間で子どもとの関わりの部分を情報共有したり、話し合ったり、個々で勉強したり、研修に行ったりということはありますが、「専門家」ではありません。

現在も様々な個性を持った子が通っていますが、スタッフも子どもも「○○ちゃんはこんな子」「○○くんはこんな子」とそれぞれの得意なところも苦手なところもまるっと認めて関わり合う姿は見られます。

新田サドベリースクールが全ての子にとって良い場所とは思いませんが、「新田サドベリースクールがあって良かった。」と1人でも多くの子(保護者)に思ってもらえるように活動しています。