スコップが無い!?

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スクールに通う生徒・スタッフ、スクールに子どもを預ける保護者、地域の人、などなど関わる人たち全てが居心地良く思えるようなスクールをみんなで日々目指しながらやっています。

ある日、スクールに行って雪をかこうと思ったらいつも使っている平スコが見当たりません。

子ども達に聞いてみると「僕知らない、私知らない」「○○が屋根のつららを取るのに使っていたのを見た。」「屋根の下に転がっているのを見た。」などの声。でもそんな声を元に聞き取りを進めてみてもこれといった決定的な情報が出てきません。

雪かきをするのにも使いますし、雪遊びをするのにも使う雪のシーズンにはヘビーユーズになるアイテムが雪の下に埋まっているかもしれないという事態に。

スクールには「スクールの物を使ったら使った人がすぐに元に戻す。」といったルールや「スクールの物は大切に扱う」といったルールがあります。

個人で探してもにっちもさっちもいかないし、スコップの無い状態が続くのも困ってしまうので、相談員に相談することにしました。

新田サドベリースクールではみんなで作るルール(校則)を守ったうえでそれぞれが自由に時間を過ごすという風になっていますが、そのルールの違反があり困るような事があったら、「ルール違反の紙」に書いて、相談員(生徒2名、スタッフ1名、持ち回り)に困りごとを相談することが出来ます。

相談員さん含めて、再度聞き取りをしていきますが、結果はやはり似たような感じ。

「誰が片付けるべきものかが判明しないときは、掲示板に掲示してある人(これも順番に持ち回り)が片付ける」という様なルールもこのような時の為にありまして、その当番にあたる人3人と有志で「ここじゃないか?」と思われる屋根の下の雪をかいてみて探したりすること数10分。

それでもスコップは出てきません。

誰かの道具の使いっぱなしのせいで、相談員やその他の人の時間を大幅に割いてしまうのは、どう考えても不自由です。

結局「スコップは新サ会で新しいものを買う(約2000円)」ということと、新サ会にて「スクールの物を使う時はみんなに聞こえるように宣言してから使う」というルールの追加を提案するということにして、その日のスコップ探しは終了しました。

翌日の新サ会にてこの件について話し合う場が設けられました。

(実はスコップについては今現在スタッフプログラムに参加中のTさんが雪かきしたまま所定の場所に返すのを忘れていたみたいで、新サ会のある日の朝に見つかりました。朝の会でそのような告白があり、みんなの前で「ごめんなさい。私が犯人です。」という正直な告白があり、メンバーたちは「正直に言うの勇気がいるのに、正直に告白して素敵。」と拍手が巻き起こりました。)

DSC_3057スコップ購入の議題は取り下げになりましたが、「スクールの物を使う時はみんなに聞こえるように宣言してから使う。」というルールの追加については話し合いが行われました。

相談員と有志数名が前日に頭をひねって考えた新ルールの提案です。

最初は「めんどくさくない?」なんて意見もありましたが、提案者(相談員+有志数名)のこのルールを規定する背景(スクールの物が大切に扱われるように、所定の場所にいつも戻る様に、紛失防止)などの意図が伝えられると、

「良いと思う。」

「もの全部に対して宣言するのは難しいかもしれないけれど、このルールを運用しながらみんなで取捨選択していけたら良いと思う。」

「~宣言してから使う様に頑張る。というような努力目標の方が良いと思う。」

「このルールもあったら良いと思うけれど、日々の3時からの掃除の時に、外や中で落とし物があるときはその人が片付けたり、声掛けして然るべき人に片付けてもらったりとその都度もっと意識的にチェックしていったら無くしものの頻度は減ると思う。」

というような意見があがり、それらの意見を取り入れた結果になりました。

その新サ会は木曜日でしたが、木曜日の掃除と金曜日の掃除はいつもより丁寧な感じになり、いつもよりも施設はきれいになったように感じます。

何が正解かは分かりません。

問題が顕在化したときに、いかにその問題を捉えて、それを解決していくか。

運用しながらそれを最適化していく。

そしてそれを然るべき人たちが話し合いを通じて最適化していく。

そんなことの繰り返しで場は育っていくのかもしれません。

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2020年も昨日で無事に最終日を終えることが出来ました。

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新田はまだ雪が残っていてその雪たちで連日子ども達は遊んでいました。

スキーウェアがびちょびちょになりながら雪滑りを楽しんだり、雪合戦をしたり、かまくらを作ったり。

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クリスマスイブの日にはケーキ作りもしました。

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「何をしたいかな。」

「何をしているときが楽しいかな。」

それぞれの心と対話を繰り返しながら、めちゃめちゃ楽しく心躍る日があったり、まあまあ楽しい日があったり、退屈な日があったり

それぞれがそれぞれの時間を過ごしているかと思いますが、大きな怪我や事故などなく、みんなが穏やかに健やかに1年過ごせて良かったなと思います。

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ピンチはチャンス

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「おしらせ」コーナーでは昨日Kくんがずっと取り組んでいたMODを公開することが出来たようです。

僕はその価値を十分に伝える言葉を持ち合わせていませんが、英語のサイトを翻訳しながら、プログラミングをしながら彼の世界観を注入していった作品です。彼の作ったMODでサドベリーのマイクラーたちは熱狂しているのは確かです。

Kくんが公開の仕方もインターネットなどを駆使して調べて、新田サドベリーのサイトのコードとかも少しいじりながら、遂に公開にたどり着きました。

公開されたときの、Kくんの顔からにじみ出る達成感と晴れ晴れとした感情はとても印象的でした。

僕はマイクラ初心者なのでよく分かりませんが、PC版のマイクラで使えるようです。マイクラをPCでされる人は覗いてみてください。

それではみなさま

本年も大変お世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください。

新年は1月12日(火)から再開です。

文:スタッフ 長谷洋介

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