選挙の話グループが立ち上がって、2ヶ月が経とうとしています。
例年行われていた日程が すでにきており、
「スタッフ選挙、今年はどんな感じ?」
との声も ちらほら届いていて、気にかけてくださる方がいるというのはありがたいな、と感じながらの話し合いも すでに20回を超えました。
⚫︎人件費にあてられる予算は 来年度いくらくらいになるか?
⚫︎社会保険って なに?
⚫︎有給休暇って 休みなのに給料が出るの?
確定しない数字のなかで、はじめて聞くワードとともに 決定していかなければならない多くのこと…
途中 中弛みしながらも、互いに得意な部分で補い合いながら ここまで進めてきました。
当初は 12月1日を公示日と設定していたため、翌々日に それを控えた話し合いの場で、ひとりのスタッフからメンバーの生徒たちへ、こんな提案がされました。
『少しでも早く公示したほうが良いと思う。来年の募集要項が まだ決めきれられていないなら、とりあえず今年度の実績として 今のスタッフの条件で 募集をかけたらいいんじゃないかな?』と。
けれど、こどもたちの答えは、…NO。
『今まだ 公示日を公表してるわけじゃないから、日程を調整したら 時間を作れる、まだできるんじゃないか』
『ここまでやってきたんだから、もう最後までやろう。募集要項も 全部 自分たちで決めよう』
といった「自分たちが やり切る」との声でした。
もしも その提案通りに 今年の実績で公示を行なったら、いままで 彼らが時間をかけてやってきたことの全てが もったいないことにならないか… そう思ったわたしは この声で、
「わたしなりに 出来うる限りのサポートを やっていこう」と 改めて強く感じたのです。
というのも実は、数回前の話し合い、内容も佳境に入ったころ、
“このデータがあるほうが 話しが進めやすいだろう”
“労働基準法や社会保険の内容については知らないことも多いだろうから 資料を用意しておこう”
と わたしが、こどもたちの 何歩も先を歩いてしまっていたことがありました。
彼らの考えている、‘こんな選挙にしよう’との思いを守ろうするが故、毎日スタッフの出す意見に 週1スタッフのわたしが意見する…そのやりとりに終始してしまった回もありました。
(そんな回は、もちろん 生徒側から 活発な発言があるはずもなく…)
話し合いの進み具合が 鈍くなり始めてきたその頃、ふだんの会話のなかで 選挙管理委員会メンバーのCちゃんに こう言われたのです。
「スタッフ同士の議論になっている」
その言葉で わたしは はたと立ち返り、気付くことができました。
この、選挙について話し合いが始まったとき、集まった 生徒たちの気持ちは どこにあったのか。
生徒たちは なにを目指して なにを望んで、どんな選挙をしていこうと 取り組んでいるのか。
そして、わたしは いちスタッフとしてなんの為に ここにメンバーのひとりとして 立ち合っているのか。
学んでいるのは こどもたちだけでは ありません。
スタッフであるわたしも、彼らと共に過ごす時間のなかで 学び合っている、そのことを感じさせられる場面は 本当に多いです。
サドベリースクールは、そこに携わるすべての人に、その人の学び時の物事を、ときに 困りごととして、ときに 悩みごととして、目の前に 起こしてくれるように感じます。
(これは 特に スタッフ・保護者…大人に言えることではないかと 個人的には感じています)
こどもの 見抜く力・見限る力は ごまかしなんて 本当にききませんから、
わたしも 立つからには、心して ここに在らないと。と おもう日々。
ひと山超えて 今、
彼らから出る 意見を、ひとつひとつ拾いながら、その発言の向こうにあるものにも心を配りながら、
【募集要項】としての形にするサポートに徹しています。
当初の公示予定を 後ろ倒しして以来、話し合いも 週3以上になってきました。
けれど、自分たちのこと・自分たちが過ごすスクールのことだから と、こどもたちは 意見を交わし、取り組んでいます。
いちスタッフの 個人的な願いとしては、より多くの方に 興味を持っていただき、より多様な立候補者さんで投票が行われたらと 思うばかりです。
近々 公示できることと思います。
あともうしばらく お待ちください。
(先日の ※新サ会において、この 選挙について話をするグループが 「選挙管理委員会」となることが決まりました。
スタッフ選挙の管理・運営を行い、現メンバーを 今年度の委員会メンバーとして 引き続き 活動していきます)
※週に2度行われるスクールミーティング・新田サドベリー会議の略
【文・松本 雅子】
選挙関連記事: http://shindensudbury.org/blog/4017