「ずーっと行きたいと思ってた。卒業するまでに行けて良かった。」
姫路セントラルパークへの遠足を提案した生徒がその日の遠足を終えて帰路につく車内で言った。
お金のこと、引率する大人の事、持ち物、予定、参加人数・・・などなど色々なことを調整して実現したその遠足は、朝早くに出発し、夕方暗くなってから智頭に戻ってくるという日程で、日中目一杯遊園地で過ごす事が出来た。
平日ということもあって、とても空いていた。
普段は山の中で過ごす子どもたち。「遊園地」という非日常に自ずとテンションも上がりウキウキ。
園内に入って、あらかじめ決めていた12時と16時の集合場所を全員で確認した後は「よし!行こう!」と友達同士連れだって、園内に走り出すグループがあったり、「一緒に行こう!」と大人と一緒に回るグループがあったり。
でも、第一に多くの子が向かったのは、入ってすぐにある、ジェットコースター。
「ジェットコースター初めて。」という子が半数ほどいたが、勢いで乗り込む。
乗ったら、「たのしーーーーー!」と再び入口ゲートに走り出したり。
行く前はジェットコースター乗ったことなくて不安、「乗らない」とかいう声もチラホラ聞こえていたが、友達同士の雰囲気につられて乗り込んだ感じ。
何をするかも大事だけど、誰とするかもきっとそれと同じくらい大きい。
3人~4人の小グループで行動したり、それら複数のグループが合流して大きくなったり、メンバーが変わったり、ほんとに自由に赴くままに遊園地を満喫するメンバー。
普段味わえないタイプの遊びに、体全体で楽しむ感じ。
情動がパッカーンと開いている感じ。
笑顔が溢れ、「今度は何乗る?」「あっちいこ!」「今度はあれ乗ろ。」
めちゃめちゃ楽しそうな子どもたちを見るのはなんとも幸せな気分でした。
ジェットコースター初めて!っていう女の子3人チームが何回も何回もこの「緑色のジェットコースター」に乗っているのを見てメチャメチャ驚きました。
このバイキングの船も大人気でした。
何回も何回も乗っては降り、降りては乗って。
おじさんの僕は(おじさんじゃなくてもかもだけど)、2、3回連続で乗ったら「オエっ」って気持ち悪くなって「ちょっと休憩」と脇のベンチで休ませてもらったり、それでも子どもたちは何回も何回も船に乗ったり、ジェットコースターに乗ったりと体力と「楽しい!」「もっとしたい!」の気持ちが凄かったです。
空いていたので、どのアトラクションも並ばずにすぐに楽しめたのが本当に良かったです。
アトラクションによっては年齢制限があったり、身長制限があったりもありましたが、一緒に乗ったりすることでその制限をクリアしていったりと、大きい子、小さい子混ざり合いながら1日過ごす様子も見られました。
11時45分からのドッグショーには自然とみんなが集まって(集合場所近くだったからかな)、全員でドッグショーも楽しみました。
可愛い犬やハムスター、インコ、鶏なんかが出てきてみんな大喜びでした。
「誰かショーを手伝ってくれる人?」との声かけに、サドベリーの子どもたちは「ハイハイハイ」と多くの手が挙がり、すごいな~と内心思いました。すごく積極的に遊園地(ショー)を楽しんでいました。
なので12時には「誰誰がいない!」とか集合場所に現れない子がいる事もなく、スムーズに12時のチェックポイントを通過し、そのまま流れでお弁当を食べるグループがあったり、乗り物へ行こうと連れだっていくグループがあったり、近くのホラーハウスへ並ぶ姿があったり。
ホラーハウスの前では「えー どうしよう 入ろうかな やっぱりやめようかな」とグルグルと回る心の葛藤が垣間見えたり。
入口まで一緒に入って、「あ、やっぱ無理!」と出て行ったりと多くの子どもたちのそんな気持ちと身体の行ったり来たりが見れて面白かったです。
「オレンジ色のジェットコースターに6回と緑色のジェットコースターに8回乗った。」
とか、ホントにジェットコースターだけでなく色々な乗り物、アトラクションを思う存分友達と満喫出来たみたいで何よりでした。
サファリパークも併設されていて、15時から3人の生徒とスタッフのまさちゃんが行っていましたが、そちらも間近にカバやサイやライオンやトラなどが見れて良かった様です。
みんなで決めた16時の集合場所にもみんながきっちりと集合して、誰かが迷子になったり、1人ぼっちにはぐれたりということもなく、ホントに良い時間を過ごす事が出来たと思います。
子どもたちの顔にも満足感と達成感が滲み出ていたように感じます。
普段の新田サドベリースクールもこの遊園地の様に、「やりたい」と思うことにすぐにアプローチできる環境であったり、「あれ面白そう」と未知のものにアクセスしやすい環境だったり、なにより「楽しい」と毎日思えるような、そんな環境を目指して行けたら良いなと個人的には思いました。
子どもも大人もホントに楽しい時間を過ごせました。
企画してくれたKくん、どうもありがとう。
ありがとう姫路セントラルパーク!
ありがとう みんな!
【文 長谷洋介】