話し合い 話し合い

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サドベリースクールは別名デモクラティックスクール(民主的な学校)とも呼ばれます。

生徒たちは朝来てから夕方帰るまで各々過ごしたい様に時間を過ごしますが、スクールとして合意が必要な事に関しては、話し合いを通じて合意形成を図ります。

最近で言えば、「スクールの活動費を使ってUSJに行きたい」というグループがあり、その活動費の使い方の是非について毎日のように議論がありましたし、金曜日に働いていたスタッフが離れたことにあたって、どのように金曜日スタッフに入ってもらったらいいかという議論も続きました。そして来年度のスタッフを決めるにあたってスタッフをどう選ぶか、(例年行っている選挙についてどう考えるか、その方向性について)議論が続いていました。

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どの話し合いも参加は任意ですが、その話に関わりたい人、関係する人は、話し合いに参加し、それぞれ意見を持ち寄り交換しながら、合意を図っていきます。

日々過ごしていると、自由に過ごす事は出来るけれど、何か考え「これがしたい」「こういう風にしたい」と思ったときに、こういった合意形成の場が必要になってきます。

誰かが知らない間に、何かを決めて・・・ということが全くありません。

もちろん、話し合いの参加は任意ですので、参加していない話し合いの結果何かが決まることはありますが、それも「あぁ、あの時の話し合いで決まったんだね。」と納得がありますし、仮に納得のいかない決定がもしされて、その人にとって(スクールにとって)不都合なことがあれば再度話し合って決まったことを改善することはあります。

そんな風に日々をすごしていますが、時には話し合う事が多すぎて、たくさんのエネルギーを消耗してしまうこともあります。

一昨日は、久しぶりに、スクールとして1つもそういった話し合いの場が設定されない日でした。

朝来てから、夕方帰るまで、誰も何か決まった話し合いの場があるわけでなく、純粋に個々が過ごしたい様に過ごす1日。(話し合いに参加しない人は、毎日そのような日々ではありますが。)

僕も話し合いが無いので、1日生徒たちの活動をゆっくりと見たり、一緒に活動したりという1日でした。

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「ニワトリ小屋に庭を作って、外に自由に出れるようにしたい」という構想をもっていたCちゃんが、この日ついにその頭の中にあった構想を行動に移していました。

庭を作るのに必要なものを確認し、とりいそぎ自分で調達できる材料を調達に行きました。

新田のKさんに杭に必要な竹をいただけるか聞きに行き、快く承諾をいただき、Kさんの所有す竹林に孟宗竹を切りに出かけました。

Cちゃんの動きを見て、AちゃんとHちゃんも便乗。

3人で竹林に出かけ、竹を切り出しました。

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竹を1つ切るのも、なかなか体験したことないことで、どうやったら切れるのか、どちらに倒したら良いのか、そもそもどんな竹を切ったら良いのか。

1つの作業をするのにも、たくさんの考えることがあり、感じることがあるように見ていて感じました。

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それにしても、快くこうしてスクールの活動に新田のみなさまが協力してくださり本当に有難いことです。

さっと、山に入れて、竹を切らせてもらうという体験が出来るのも、ここの良いところだなと思います。

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やってみないと分からないことってあるだろうなと思うし、むしろなんでもやってみないと分からないと思いますが、主体的に考え、取り組んでいる事って、自分の中にいつまでも身体感覚として残っていくものだと思います。

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杭を打つところにちょうど切り株があって、その切り株を取り除く作業。

この切り株1つを取り除くのも、身体のパワーを存分に使わないとなかなか出来ません。

新田は寒くなってきましたが、外でちょっとこうやって動くだけで身体もポカポカです。

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外で作業していると、優しくそして力自慢のKくんが様子を見に来て、そして手伝ってくれました。

女の子3人で作業していましたが、パワフルな男の子が来てくれるだけで頼もしいものです。

この後、切り株のあった場所に取ってきた竹の杭が刺さりました。

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そんな活動を傍から見ていたTくんは翌日、「僕も竹を取りに行きたい。竹でアスレチックを作りたい。」とかねてから彼の中で構想していた「アスレチックを作って遊ぶ場所が増えたらもっとスクールが楽しくなるのに。」といったものに取り掛かることにしたようです。

YくんもそんなTくんと一緒に竹林に出かけました。

(軽トラックの荷台に乗れる、というのがもう1つの動機だったように思いますが。)

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竹を持ち帰っては、インターネットで見た竹のジャングルジムを参考に組み立て始めていました。

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Tくんが取り組んでいると、中からゾロゾロとたくさんの生徒が様子を見に外に出て来ては一緒に作ったり、遊んだりする場面もありました。

竹を切るとその中から、うすーい膜が採れて、それが「高級なティッシュみたい」と高級ティッシュ遊びに発展したりもしていました。

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やり始めて、要領を掴んでくると、次は大きいブランコ作ってみたいとか竹で小屋を作ってみたいとか更なる構想が広がったりしていました。

日々頭に抱いているものが、行動に移っていく瞬間ってなんだかキラキラ、ワクワクします。

「静かに勉強できる環境をつくりたいな。」とか日常会話で聞こえて来たり、

「またUSJ遠足提案しなおしてみようかな。」とか

「スキー合宿行きたいな。」とか

色々、会話に出てこない密かに抱いている構想や思いもたくさんあるはずです。

どんどん、「やりたい」「しりたい」などの好奇心が充足していくような、そんな場であって欲しいなと思っています。

文:スタッフ 長谷洋介