合意

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合意形成

新田サドベリースクールでは、1つ1つ全体に関わる事(スクールの予算を使っての活動やルール作りや修正など)は全体の合意を取る場を設けて運営しています。

なので、例えばスタッフが、とか生徒の誰かがとか、誰かが知らないうちに何かを決めてということはありません。

予算(スタッフの給与や生徒の活動費)やスタッフの人事までも全てオープンな場で話し合い、合意のもとで決定し運営しています。

(その話し合いへの参加は任意ですが、そこで決まったことはスクールの決定としてメンバー1人ひとりが責任を持つことになっています。自分が参加せずに、何か決定に対して納得がいかないことがあった場合は、改めてその人が提案し直すことは出来ます。)

去年度から「お金に関する事」(具体的には予算・開校日数・開校時間・年学費)に関する事は、家庭の承認も得ることにしよう!ということになり、「総会」という場を設定し、上述4点については家庭の承認も取るように今はなっています。

上述4点についても、去年度から話し合いを重ね、新サ会(スクールミーティング)で合意を取ってきましたが、「総会」を前にスクールで全体で確認の場が昨日設定されました。

上述4点に関して、資料片手に、発表に耳を傾け、1つ1つ承認の確認を行いました。

IMG_6537年齢やその個人によって、理解だったり、経験として蓄積されていくポイントはまちまちかもしれませんが、「自分たちでスクールを運営しているんだ。」「自分たちで出来る裁量は大きいんだ。」「自分たちのスクールなんだ。」という意識が醸成されていって欲しいなと願っています。

その確認の場が終わって、何人かの生徒に話を聞いてみましたが、「去年はちょっと良く分からなかったけれど、段々と分かるようになってきた。」であったり、「分かりやすかったよ。」というような声も聞こえてきて、特に予算のところなんかは、たくさん数字が並んでいて、初めての生徒や、年齢の小さな子は面食らってしまうかもしれないけれど、ちょっとずつ・ちょっとずつ、みんなでスクールを作っていこうと思ったときに、大事なプロセスのような気がしていて、具体的な方法なんかはみんなで経験しながらブラッシュアップしていけたらいいなと感じています。

合意を取り付ける上で大事なのは、相手の気持ちを尊重し、相手も納得しうるような提案を行い、win-winの関係(みんなが勝つ、得する、納得する)を目指していくことだと思う。

その為の姿勢を醸成していくことは難しいが、今後生きていく際とても重要な力の1つになっていくように思う。

その為には日々の関係性の中で、「この人の言う事ならば」というような信頼を勝ち取っていくような事はとても重要になってくるというのがここで時間を過ごしていくと痛感することである。

その際、変に権威的なモノは介在の余地が無い。

人との関係性を築いていく上で、時には「lose-win」の合意がなされることもある。お互いの関係を大切に思い、直面している課題が(その人にとって)さほど重要でない場合、限られた状況においては相手との関係を維持するために譲るといったような場合はそうだ。相手に譲っておいて、相手の信頼を勝ち取り、関係性を築いたうえで今後の合意もスムーズに行われるようになっていく。

新田サドベリースクールでもただただ自由に過ごして「あぁ楽しかった。また明日。」という側面だけでなく、実はより楽しく充実した時間を過ごそうと思ったときに他者との合意が必要になってくる場合が多々ある。その時に大事になってくるのは、こうした他者との人間関係の構築だったりする。ここに所属しているメンバー全員はそういったことを肌感覚で感じ、スキルを磨いているのだと思う。(他者との関係の構築、自身の内面の深化、それらをそれぞれのバランスで養っていると思う。)

スクール全体に関わるような合意だけに限らず、自分の持っていないもの(ゲーム機だったり、おもちゃだったり、マンガ本だったり)を借りる際にはこういった「win-win」の関係性だったり「lose-win」の関係性だったりが見えたりする。日々そうして、人の信頼を勝ち取っていくプロセスもしくはその反対の信頼を失い苦しい立場になっていく、経験を積み重ねているんだと思う。

これだけしていれば安心といったような知識や技能がより一層不透明で多様化している様な現代において、ときに難しいことかもしれないが、人の信頼を勝ち取っていくことの有用性を肌感覚で感じていっているように思う。

※上述の「総会」ですが、このような社会状況なので、対面での承認では無く、書面での承認にしようという話し合いが昨日行われ、そのようになりました。今回のコロナの件で、色々なものが変化し、考えさせられます。合理化出来るところはどんどんしていったら良いと思いますし、それでも対面で人と人を感じながら育んでいきたいものもあったりで。上手い方法、バランスでもってこれからもやっていきたいです。

文: スタッフ 長谷洋介