新田サドベリースクールではスクール全体に関わること(主にスクールのお金に関すること)は全体の場で話し合い、合意形成を図ります。
全体の納得を持って合意したことをその場の一般意思とも言うそうですが、みんなの「納得」を大事にしています。
何でも話し合い、「全然知らないうちに勝手にスクールのお金を使われていた」というようなことはありません。
先日は1人の生徒から「NINTENDO SWITCHを買いたい。」という提案がありました。
そういう議題も他の議題と区別なく同じように全体の場で話し合われます。
その話し合いの日に僕はちょうど休みをとっていました。でもみんながどんなふうにこの議題を話すのかとても興味があったので、今風にオンラインでそのミーティングに参加させてもらいました。
提案者は「サドベリーに共用のSWITCHがあったらみんなでもっと遊べるから。」と、SWITCHを持ってない人もSWITCHで遊びやすい環境を作ったら良いのではないかという配慮からの提案でした。
話し合いの場に参加するかしないかは任意で生徒に任されていますが、集まった生徒たちが何を話すかなぁと楽しみに見ていたら、(反対意見とか慎重意見とかあるかなぁ。そういった意見が出る話し合いほど、どう折り合いをつけていくかが面白い。と個人的には思っています。)
「いいね。」
「コントローラーは何色が良いかな?」
「コントローラーが〇〇色ならストラップは?」
「充電器とドックを買わなかったら本体だけなら安くなるんよ。」
「1台じゃなくて2台でも良いんじゃない?」
「使うときのルールはどんな感じになるのかな?」
と最初から買う前提で場が盛り上がる。
あぁ、そういう感じなんだなと画面越しに見守る。
普段スクールで過ごしながら、何があったらもっと良いスクールになるかな。どうしたらもっと楽しい(有意義な)時間を過ごせるかな。と考えている生徒たち。
SWITCHに関しては慎重意見などはなく、みんな購入に前向きでした。
メンバーみんなが良いと思うことを話し合いながら納得しながら運営していく民主的なスクール。
民主的とは必ずしも多数決ではなくて、少数派の意見も聞きながら折り合い点を探していく。
話し合いが平行線でどうしても折り合い点を見いだせないということで、「多数決で決めよう!」とそういう合意形成があったときは稀に多数決でものを決するときもありますが、「多数決で決める」という合意形成ができない場合はそういった手段は取りません。
僕の期待とは裏腹に?SWITCHは無事に何事もなく購入することになり、本日無事にスクールに届きました。
どういった形で運用されていくのか、それはまた改めて様子をみながらルールの提案はしていくそうです。
初日の今日は1人の生徒が持っているソフトを入れて複数で楽しむ姿がありました。
スプラトゥーンをしたり、マイクラをしたり、マリオメーカーをしたり、スマブラをしたり、フォートナイトをしたりと、楽しそうに遊びあう姿があります。
外で体を動かして遊ぶのも楽しいみたいですが、ゲーム機を使って友達と遊ぶのも楽しい様です。
ノートパソコンが仲間入りしたり、SWITCHが仲間入りしたり、今度はハイスペックPCの購入を検討していたりと、デバイスがどんどん充実していきます。
便利な機器とどう折り合いをつけていくか、その辺のリテラシーも使いながら個々で調整していくのだと思います。
自分で週に〇〇日と制限したり、家では触らないと工夫していたり、話を聞いていると色々と工夫している子もいるみたいです。
なんでも道具と如何に付き合っていくか、どうその道具を使うかって大事なポイントですね。
それにしてもSWITCHがスクールにやってきたのは僕には割と面白い話題でしたのでブログを書いてみました。
文:スタッフ 長谷洋介