新田サドベリースクールの特徴を、簡潔にまとめてみよう! という試みを、昨年末スタッフで行いました。 いろいろな意見が出ましたが、私はやはり「時間がたっぷりあること」が、サドベリースクールの最大の特徴ではないかと思っています。
サドベリースクールには、決められた時間割はありません。 生徒は何時に登校してきても良いし、何時に帰っても構いません。 たくさんの何かに取り組んでも良いし、何もせずにのんびり友達とおしゃべりしていてもいい。 サドベリースクールに来ている間の時間の使い方は、100%生徒に任されているのです。
そのような環境で過ごす生徒たちの様子を見ていると、「時間が解決してくれる」という言葉の奥深さを実感する機会がたくさんあることに気づきます。
例えば、友達同士で気まずい喧嘩や言い争いがあった後。 一般的には子どもの年齢が低いほど、大人が介入して仲直りを促されたりする場面が見られますが、サドベリースクールでは生徒の方から望まれない限りそのような介入はありません。
そうすると、時間の魔法を味方につけた彼らなりの独特なやり方で、とてもスムーズに元の親しい間柄に戻ってゆきます。 あるいは行動や言葉遣いをコントロールが難しく、周囲がハラハラさせられるような生徒であっても、何事も強制されない自由な時間の中で何年間かを過ごすうちに、自然に周囲が驚くような好人物へと成長してゆきます。
私にはそれは、「たっぷりの自由な時間がある」ことによる大きな効果だと思えるのです。
現代社会では、様々な活動が「時間」という枠組みで計られます。 早いことや効率的であることが評価される社会では、人間はその枠組みの中に上手に自分を組み込ませ、求められるペースで行動するよう期待されます。
しかし、生き物にはそれぞれ固有のペースというものがあるのではないでしょうか。 植物には植物の、猫には猫の、鳥には鳥の、象には象のペースが。 この100年ほどの地球社会におけるスピードの変化は、果たして人間のペースにふさわしいものになっているだろうか? と、サドベリースクールの生徒たちを見ていると感じます。
時間がたっぷりあるというだけで、どれほど多くのことが解決するかを目の当たりにされたら、きっとみなさんも驚かれることでしょう。
ぜひ一度、サドベリースクールの日常を見に来ていただけたら嬉しいです。