Aはよく癇癪を起して『Bが悪い!Cが悪い!』と大騒ぎしていました。そのたびAの感情の根っこに繋がろうとしたけど、僕もAの感情に刺激されて自分と繋がることが難しく、どうにもできない状態が続いていました。
そんなある日、Aにルール違反が出されてAを囲んでじーっくり話を聞くチャンスがありました。いつものように声を荒げるAにひたすら傾聴、その後 しばしの沈黙があり、ふと『困っているんだ。』と癇癪の奥にある嘆きを初めて共有してくれました。
普段であれば無視したりごまかしたりするその「感じ」に意識を向けることで、自分自身が本当に感じていたことや、重要な価値観に気づくことがある。その後『フォーカシング』を知って、あの時『フォーカシング』のプロセスがたまたま働いていたんじゃないかと後から気が付いた。
いわゆる一般的な『学び・学習』のプログラムはサドベリースクールにない。じゃあ『学び』はないの?って言われると、そうではない。上のAのような、自分を発見してくような違った質の『学び(気づき)』が沢山転がっている。そんな豊かな気づきが沢山出会える場になるように、日々試行錯誤しております。
スタッフ 澁谷
写真 近くで粘土を発見して器を作るN君