求めよさらば与えられん

新田サドベリースクールには予め決まった行事はありません。

その時に必要なものを必要なタイミングで必要な人が提案し実現していきます。

そこに全体の合意が必要なとき（スクールのお金を使うなど）は新サ会（スクールミーティング）にて提案し、話し合い決定していきます。

週に2回（月曜日と木曜日）設定されている新サ会ですが、木曜日の新サ会では

・「リプル」に行きたい。（町内のプール。先週も行って楽しかった子たちが再度提案）

・お泊りがしたい。

などの提案がありました。

提案者の子から「リプル行きたい子は参加してー！」「お泊りしたい人は来てね！」なんて声が行きかいます。

「リプルは行かないけれど、お泊りは行きたいから、お泊りの話題になったら声かけてくれる？」なんてやりとりもあったり。

話合いは「司会」と「書記」を設定して毎回行います。

まず初めにその2つの役を決めてから会はスタートします。

この日はRちゃんが司会に立候補してくれました。

書記は人の発言などを記録するのが大変なので「書くのが早くて字もきれいだから唯ちゃんにやって欲しい」とYちゃんから推薦があり、そのように決まりました。

リプルに行くのに確認しなくてはいけないこと、お泊りするにあたって確認しなければいけないことを司会のRちゃんが上手に話をリードしてくれました。

・日時の確認

・引率スタッフの確認

・声をかけるメンバーの確認（正メンバー・準メンバー・仮入学まで）

・かかる費用（ガソリン代・スタッフ引率費用（宿泊））

・持ち物

・お泊りのときの食事（アレルギーの確認：参加者の中に卵アレルギーの子あり）

・家庭連絡の担当

・全体共有の担当

などなど

話も途中脱線するときもあるけれど、その都度年長のメンバーから「はい、話を元に戻そう！決めなきゃいけないことをサクサク話し合って決めよう。」などの声掛けがあったり。

最初はリプルの話し合いで、引率にサポーターさんをお願いすることになり、その調整をAちゃんが担当してくれて、その調整の結果を受けてまた月曜日に再度話し合うことになりました。

後半のお泊りの話では食事に関する話がヒートアップ

「カレーはどう？」「クリスマスだからホワイトシチューは？」「スパゲティが良い。」「スパゲティはアサリが良い。」「トマトソースが良い」「たらこが簡単で美味しい！」「おもちは？」「じゃあ、シチューとスパゲティ両方にしたら良いんじゃない？」「スパゲティ何種類も作るの大変じゃない？」「食べたいスパゲティそれぞれ作ったら？」「もうシチューだけで良いんじゃない？」「シチュースパゲティは？」「ご飯とシチューは？」「ご飯にシチューかけて食べたらいいじゃん。」「えーご飯とシチューは別でしょ！」・・・などなどなど

他に議題があるときは、「他に話したい議題もあるので、詳しくはお泊りしたい人たちで話し合ってまとめてから再度新サ会で提案してもらえますか？」などの意見が出たりしますが、この日は他に議題も少なかったので、新サ会の場で色々と話がもりあがりました。

お泊りはしたいけれど、基本お任せ！お泊り出来たらなんでも良い！というようなメンバーからだんだんと集中力が途切れていき、ダレてくるのを感じ取ったTくんが、「お任せという人は部屋から出て行っていいんじゃない？ちゃんと話し合いたいから。」なんて発言も途中あり、「それが良いと思う」と全体の合意を取って、半数くらいは部屋から退出。

残ったメンバーで細かい合意を進める場面もありました。

食事を決める際に「もう多数決で良いんじゃない？」というRちゃんの発言に「えー多数決は嫌だ」と周り数名から強めの反対。「多数決じゃなかったらどうやって決めるの？」との問いに「話し合い」というやりとりも途中ありました。

全体の合意を取って多数決で物を決めるときもありますが、そういったケースは稀で、じっくり話し合いそれぞれの立場の意見の折り合い点を探るというプロセスがよく見られます。

お泊りの件も、この日来ていなかった準メンバーと仮入学の仲間にも参加の意思を尋ねて、参加人数が確定した上で再度月曜日に話合うということになりました。

子ども達が主体的に自分たちがやりたいことを現実的に実現していくプロセスを見る機会が増えてきたように感じていますし、そういった姿を見る度に頼もしさと成長を感じます。