みなさま
こんにちは
木金とお泊りでサドベリーさせてもらった次の日はあのふくちゃんが夏以来の登場をしてくれました。
濃い~濃い~3日間を過ごしました。
夏キャンプでみんなで突き止めたクロスズメバチの巣を収穫に行くという日です。
朝10時、まずはじめにふくちゃんのお話。
今回のお話は「オオスズメバチの気持ちを感じてみよう。~家や車にもしオオスズメバチが入ってきたら~」という内容でした。
もう、子どもたちの食いつきが全然違う。
静かにふくちゃんの言葉に耳を傾ける子どもたち
「ホンモノ」「面白い」って思ったときの人の行動って自然とこうなる。
じゃじゃーん
オオスズメバチの女王様7匹登場。
一瞬で子どもたちの心臓の鼓動が高鳴るような感じを受ける。
ザワッ
でっけぇ でかい!
世界最大のスズメバチを目の当たりにして感嘆の声をあげる子どもたち。
「部屋にこのオオスズメバチを放す前にオオスズメバチの習性を教えるね。」
とふくちゃん。
オオスズメバチの世界にはガラスは無いということ。
明るい方へ明るい方へ行こうとする習性があるということ。
部屋に入ってきてしまったらどこか一か所明るいところを作って、あとを暗くすればそこから出ていくということ。
「人を刺したい」と思っているわけではなくて「外に出ていきたい」と思っているだけということ。
そんな話をしてくれたあとに「それでは」とオオスズメバチが入った虫かごを取り出すふくちゃん。
実際に部屋に放してハチがどのように行動するかを観察。
ハチの動きにあわせてふくちゃんがハチの気持ちを日本語で代弁
ふくちゃんと一緒にいるとハチに対する恐怖がなくなるんです。
それは子どもたちも言っていたこと。
「ふくちゃんと会ってハチに対したときの気持ちが変わった」と。
1匹目は割とサッと窓から外へ出ていったが、2匹目は部屋の中をウロウロ
ソッと手を差し伸べるふくちゃんの手に乗り移るオオスズメバチの女王様。
袖口から入って首元から出てくるというシーンも見ることが出来ました。
ビックリさせなければ刺さない。
圧迫しなければ刺さない。
と冷静に説明しながら首元からオオスズメバチを手に誘導するふくちゃん。
「他」のことを知るとここまでコミュニケーションが出来るようになるんだと胸を打たれるほど感動しました。
子どもたちもハチが部屋の中にいるあいだ、不必要に騒いだり、音を出したりせずにそっとその様子を観察していました。
ハチが外に出て、「さて」とめちゃめちゃ濃いぃ導入が終わったあと希望する人たちで西村山へクロスズメバチの巣の収穫に出かけました。
カッパに傘に長靴に
喜々とした女の子たちの笑顔
ちょっと手前の広場でブリーフィング
これからすること
してはいけないこと
「間近で収穫を見たい人は防護服を着て見てもらうけれど、どう?」
とのふくちゃんの問いにその場の全員が「はーい」と挙手。
あ、クロスズメバチがいる
と発見する子ども
どれどれと覗くふくちゃん
「あ、これはオス蜂だね。」
「なんで分かるの?」
「触角が長いのがオス蜂、短いのが働き蜂、体が大きいのが女王蜂。あとで比べて見せてあげるね。ちなみにこのオス蜂のお腹の中に蜜袋があって、それを舐めるととても甘くて美味しいんだよ。最近のこの時期だったら山茶花とお茶の花かな。」
なんて、めちゃめちゃ面白いトーク。
子どもたちも感心しきり。
さて本番
防護服を着て2人ずつ間近で巣の収穫を観察。
僕含めて初めて着る防護服。
「宇宙服みたい」と喜ぶ子どもたち。
防護服を着てしまったら誰が誰だか分からないかもしれないけれど、長靴なんかで保護者さんは分かるかな。
なかなか見れないものを見させてもらい、なかなか出来ない体験をさせてもらいました。
丁寧に丁寧に
ふくちゃんが想像していたよりも大きな巣が顔を出しました。
これが女王様で、こっちが働き蜂でと教えてくれるふくちゃん。
ロッジに帰ってさっそく巣に群がる子どもたち。
うっとり
噂の蜜袋の味に挑戦するSnくん
「あまーい!これは大発見だ!」と大喜び。
巣を子どもたちに見てもらった後は、川辺で巣にまだついているハチと巣の分離作業。
まだたくさんのクロスズメバチが残っています。
ロッジに帰って巣を1つ1つ並べていきます。
全部で12枚ありました。
「こっちがオス蜂の幼虫で、こっちが女王蜂の幼虫で。」とふくちゃん
「えー、なんで分かるの?」と不思議そうな子どもたち
さっと、ピンセットで比べて見せてくれるふくちゃん
「ね、大きさが全然違うでしょ?」
「ホントだ!」
「じゃあ、これは女王蜂?オス蜂?」とまだ巣の中に入っている幼虫を指して子どもたちに聞くふくちゃん。
「え?分からない!」
「え?なんで分からないの?だって大きさが違うということは巣の大きさも違うんじゃない?」と六角形の構造に目を向けさせるふくちゃん。
「ホントだ!!」
目がパッと見開き、ピカッと頭の上に電球が灯るような感じの子どもたち。
「ね。だから見てごらん、女王蜂が育つところと、オス蜂働き蜂が育つ巣っていうのは分かれているんだね。上から順に働き蜂、オス蜂、女王蜂ってなってるんだよ。」と教えてくれるふくちゃん。
目をキラキラ、耳をダンボにしながらふくちゃんの言葉に耳を傾ける子どもたち。
上質な学びがそこにはあります。
いよいよそれではクロスズメバチのハチの子がどんな味がするのか、というところに子どもの気持ちはシフトしていき、ピンセットでハチの子を取り出していく子どもたち。
面白いことには没頭してしまうというのが人間の性なんじゃないでしょうか?
ふくちゃんが「ハチの子をピンセットで採ってね。」なんて言わずともずーーーーーっと黙々と採り続ける子どもたち。
すっごい集中力。
その傍らでは大人たちがふくちゃんに質問攻め。
もう聞きたいことがたくさんたくさんあって、そして質問して返ってくる答えが面白すぎて止まりません。
そんな大人の会話をBGMに黙々と作業する子どもたち。
お味の方はどうだったのでしょう?
ふくちゃんが持参してくれた醤油でさっと炒めて素材の味勝負。
「うまーい」という子や正直に「うーん、よく分からない。」「そんなに美味しくないなぁ。」とか。
大人も初めて食べる人がほとんどで
「チーズみたいなのかな・・・。」
「上質なたんぱく質でいて、そしてそれほどじつこくもなく・・・」
とか色々感想を言い合っていました。
何にせよ、濃密な時間でした。
毎度毎度ふくちゃんどうもありがとうございます。
子どもたちにも大人たちにも毎回とても良い刺激と良い学びになっています。
本当にありがたい。
また次回を子どもと共に楽しみにしています。
個人的にはふくちゃんの「危険をなるべく具体化したい」という言葉が印象に残っています。
「○○がこうだから、こう危険。」
っていうのを具体化せずして、今の大人は「危ない。やめなさい。」と子どもを制止する。
見守る度量のある大人、環境が今は少なすぎる。
さえちゃんも今の大人は無責任に危ないと止め過ぎですよね。と同調。
2人のこの会話のくだりをとても心地良く聞いていました。
この2人の言葉だからとても心地良く聞けるんだろうなぁと思いながら。
賛否両論なんでもあるにせよ、自分(たち)の信念をもって生きている人に僕はどうしょうも無く魅力を感じてしまうのです。