新田サドベリースクールには「学校」によくある「年間行事計画」というものがありません。
もうちょっと具体的に言えば、「夏休み」「冬休み」「春休み」「オープンスクール」など前年度に決まる予定が無いこともないですが、全ての行事はその時いるメンバーで話し合って決めていきます。
「海へ遠足に行きたい!」
「鳥取へ劇を観に行きたい。(鳥の劇場)」
「お泊りがしたい」
「スケート(スキー)に行きたい」
などなどなど
4月の終わりの頃だったでしょうか、6歳のTくんが家で社会見学出来る場所を調べてきて「ジュース工場へ社会見学へ行きたい!」と明石にあるアサヒ飲料への工場見学を企画しました。
参加したい人を募り、(Tくんが1人ひとり聞いて回り、全員参加することに)、日程を決め6月22日にその日が決まりました。
日にちも「何曜日が良いかな?」とスタッフが車を出しやすい日を考えたり、海遠足と続いてしまったら疲れちゃうよね、と他の行事とのすり合わせをしたり、工場に見学希望日を伝えて調整したりして決定されました。
当日は8時30分に智頭駅に集合し、智頭のコンビニでおやつや飲み物などを買って出発。
僕が子どもの頃は駄菓子屋さんが近所にあってそこで安価で手に入るお菓子なんかを物色したものですが、今ではその役割はコンビニにとって代わられているのですね。
お小遣いを手に握りしめ、お菓子を一生懸命選ぶ姿が可愛らしかったです。
途中トイレ休憩も挟みつつ約2時間で工場に到着。
スタッフの車3台に乗り合わせながら行ったのですが、その組み合わせなんかも面白かったです。
普段あまり一緒にいない組み合わせが見られたり、それでも車の中で盛り上がってお話したり。
とにかく良くしゃべる!
楽しくおしゃべりしているので2時間くらいの工程も割とすぐに感じられました。
着くと最初に映像で「アサヒ工場の概要・歴史」なんかの紹介がありました。
普段山で過ごすメンバーですが、たまにこうやって町に降りてきて公の場で過ごすのもいつもと違う時間の過ごし方で面白いですね。
普段誰かに「これしてください」「あれしましょうね」という「指示」の少ない環境で過ごしているのですが、「これから2階、3階と工場内を見学しますので、2列になってお進みください。」と案内係のお姉さんの指示があると、嬉しそうに前の方にさっと並ぶ子がいたり、「おい2列だって。」「しっかり並べよ。」「○○くんは誰とペアなの?」とお互いに声をかけあったりして、きれいに2列に並んでいました。
普段なかなか見ない光景、そしてサッと並んで静かに進む姿なんかが新鮮で可愛らしかったです。
2階、3階の工場内は撮影禁止とのことで写真がありませんが、ジュースやコーヒーを配合して作る機械を観たり、お茶が詰められたペットボトルにどんどんラベルが貼られていったり、箱に詰められて行く様子を眺めたりしました。
なかなか意識することなく自販機でジュースを買うメンバーの子たちもこういったものを見て、普段買っているジュースがどのように製造されて自販機までたどり着くのかが少しでも意識されたのではないでしょうか?
僕なんかは普段見ることのないこのような工場見学に参加出来て、面白いな~と思っていましたが、今回企画したTくんに話を聞いてみると
「話が難しくて面白くなかった。お姉さんが「はい、こっち来てくださいねぇ」「また列になって進んでくださいね」なんて指示してばかりで嫌だった。もっと自由に見たかった。」
なんて感想を伝えてくれました。
TくんもTくんで工場見学で面白いこと、感じることもたくさんあったでしょうが、そういった感じ方もあるんだなと、それはそれで僕には面白い気付きでした。
6歳~18歳まで子どもたちが参加していましたので、6歳など小さい子にとっては難しく感じることもあったかもしれません。
見学のあとは「魔法の自動販売機」で1人2本好きなジュースを選んで試飲していました。
1つは自分用、もう1つはお土産用。
十六茶は毎年16ある素材のうち2つを変えているそう。
三ツ矢サイダーは普段買って飲むものより新鮮な気がしました。(ホントかいな)
お土産を買ったり、撮影した顔がサイダーの泡になって登場してくるスクリーンの前で遊んだりした後はお弁当を食べに近くの公園に移動。
暑い日でしたが、ちょうどいい藤棚がありました。
ご飯を食べて、公園で遊んで帰りました。
たまには山を下りて、こうして町へお出かけするのも刺激があって良いものですね。
お昼の公園も、みんなで体を動かして気持ち良かったです。
またみんなでお出かけしたいな。
今度は天候不良でずっと延期になっている「海遠足」でしょうか。