土曜日㉞ ~非日常の中の日常~

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みなさま

こんにちは

寒気が流れ込んでいる関係で東京でも雪が舞ったそうですね。

新田?

もちろん雪でした!

「町はほとんど雪積もってないのにぃ~」

と戸惑いながら子どもを送ってくれるお母さんと、喜々として新田に上がってくる子どもたち。

というだけで、非日常にスイッチオンな子どもたち。

しかし、子どもたちの非日常は「雪」だけにありません。

9時

「シカが獲れたけどいるか?」

(※注 ピンとこられた方もいるかもしれませんが、この後シカの解体写真があります。)

新田のハジメさんの声

僕は数日前のぎっくり腰の影響でシカを捌くゆとりはなく、(また「今日は子ども達とサドベリーについて語るぞ」と内に秘めた計画もあり)お断り。

10時

欠席を除く、みんなが出揃ったところで

新田のタダシさんが

「うちの裏の畑でシカが獲れたんだけれど、下ろすのを手伝ってくれんか?」

と。

一度あることは二度くらいはあるもんで。

子ども達にも状況を説明したら俄然

「行く!」と。

Knくん、Szくん、Skくん、Akくん

クールなKzくんは、「それ行ったら何分くらいで何が出来るの?」と。

Kzくんは室内でカードゲーム、ボードゲームな気分だったようで、妹のAdちゃんとお留守番。

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血気盛んな男の子達は、スキーウェアを着込みいざ出発!

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お茶目で、テンション高めなKnくんとSkくんは「こうしたら雪が目に入らずに進める」と、

コロコロ転がりながら坂道をくだります。

おバカです。笑

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タダシさん宅に到着

昨晩かかったシカはそのまま雪に埋もれて息絶えていました。

(ワイヤーで輪を作り、そこに首を通したらワイヤーが締まるという簡単な罠で、窒息死して、雪に埋まったと思われる。)

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とりあえず、ロープで足をくくり道路まで引っ張り出し、そこからどうするか相談して、結局「館」までロープで引っ張っていくことに。(「軽トラ」って単語も出ましたが、4人で引っ張っていくという結論に達しました。)

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こんな感じ

結構な大きさの雌鹿です。

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人力最高

軽トラに乗せて運んでは体感出来なかったであろう時間を過ごしました。

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子ども4人でギリギリ運べるくらいの、大きさ

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途中、休憩で縄跳びが始まったり・・・笑

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館に到着

もともと、血抜きもしていないし、ハラワタも取っていないシカなので、「山に捨てる」という目的で手伝いにいったシカです。

でも、子どもたちの中で何かひっかかるものがあるみたいで、山に捨てに行かずに、とりあえず置いておいて、お昼を食べたら「捌く」といった結論になったみたいです。

お昼を食べて、頭の片隅、視界の片隅にシカを感じながら遊びだすメンバー

IMG_1538丘の上からジャーンプ!

シカも気になるけれど、雪遊びもしたい

そんなところでしょうか。

そこで登場したのがくのーる

「私がやってみても良い?」と子ども達に

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かねてより、狩猟とかに興味はあって、自分でもやってみたいという想いはありました。

前回は僕が捌いたシカの足を持って帰って、友達とカレーにして食べたみたいです。

今回は包丁を片手に腹を割る所からチャレンジ

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「え!?くのーるが!?」

という感じで、雪遊びをやめて集まりだす子ども達

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みんな興味深々

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「ここは何?」

「胃袋だよ。食べた草が消化されるところ。ウンチになる前の・・・。」

「包丁で切ってみても良い?」Akくん

切ってみて、本当に草がちょっと溶けたようなものが出てくる。

「本当だぁ。」

百聞は一見に如かず

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年頃の乙女が割いた腹に手を入れ、ハラワタを取り出します。

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「これが腸で・・・」

「ソーセージに使うところ?」

「そうそうよく使われるのは羊のだけどね・・・」

なんて会話

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「くっせー」Kzくん

みんなも「くさいなぁ・・・」と。

「くのーる、気持ち悪くないの?」と聞く子どもに

「気持ち悪くはないで」とくのーる

子どもたちも、くのーるもさまざまな想いが内を駆け巡っているようなそんなビンビンな感じ。

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後ろ足・前足・背肉と順番に肉を取っていきます。

取った肉は雪の中に保管して、とりあえず僕は残った体と、内蔵を山に捨てに。

帰ってきたらくのーるがツツっと寄ってきて

「初めて包丁を入れるときに足がガクガクしました。」

とその時の感じを伝えてくれました。

こうやってブログでシカのことを書く「シカシリーズ」は毎回同じような感じになってしまうかもしれませんが、やっぱり良いなぁって思います。

決して、楽しいことではないし、キレイなことでもないんだけれど(手なんかは獣臭くなりますし)、心のどこかで「なんか大事なこと」として引っかかるものがあるんだろうと思います。

「私たちの命は他者の命の上に成り立っている」

という根本を突きつけられる体験というか。

そして、今回僕が嬉しかったのは、タダシさんが

「ここに来たらお前がいると思って」

と、館に来てくれて、シカの相談をしてくれたことです。

子どもたちの非日常かもしれない新田サドベリーの中に、新田の日常が入り込んでいってくれたら嬉しいなという想いがあります。

タダシさん、新田の日常を僕たちに子ども達にプレゼントしてくれてありがとうございます。

2時ごろ

タダシさんが再び現れて

「シカ手伝ってくれてありがとう」

と自分で育てたお米をプレゼントしてくれました。

ありがたい。

タダシさんの田んぼは区画整備されていない、江戸時代からの石積みが残る、ハート型のキレイな田んぼです。

おまけ

「雪」「シカ」といったものがある中で、サドベリーについてゆっくりと子ども達と語るといった雰囲気では全くなく、帰りの会でちょろっと想いを伝えた(伝わったかな?笑)くらいにとどまってしまいました。

なかなか全体では難しいのかもしれません。

個別作戦に切り替えようと思います。

4月からこの新田サドベリーを毎日することになって、子どもたちの中でも思うところがあるみたいで。

その子どもの心の葛藤(もしあれば)のフォローもできる限りしていきたいなと思う今日この頃なのです。

いやぁ、今日も良い一日でした。

僕個人的には、4月からこんな生活が毎日続くかと思うと、ワクワクしてしょうがないのです。