自分の手の中に

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最近はどのニュースメディアもコロナ一色になっている感じですが、政府の緊急事態宣言を受けて、鳥取県や智頭町にも対策本部が立ち上がり、NPO智頭町森のこそだち舎(新田サドベリースクールはこのNPOの一事業)の方にもGW明けまで県外からの視察・見学・体験の受け入れの自粛要請があったりと、鳥取県は未だに感染報告がありませんが、雰囲気は少しずつ重くなってきているのを肌感覚として感じています。

スクールでもコロナの話題が出ない日は無いくらい関心は高いです。

昨日も、「休校のタイミング」についてスクールで話し合いました。

森のようちえん部門では智頭保育園が休園になった際にはそれに準じて対応するという方針の様ですが、スクールミーティングで話し合い、結果としては「智頭小学校・中学校が休校の措置を発表したらその時に臨時のスクールミーティングを開き、話し合い決定する。」と決まりました。

最初の提案(NPOの方針を受けて、「小中学校に準じて休校としたい」という僕からの提案でしたが)に対して、概ね同意な感じでしたが、Kくんは「そこに自分の思考を挟む余地の無いところが気になる。」「地元小中学校の休校判断の根拠も知りたい。」「もしかしたらその時に、小中学校とサドベリーとで状況が異なるかもしれない。」など色々な思いを発信してくれて、それに聞き入るミーティングメンバーたち。

「取らなくても良いリスクは取る必要ないのではないか。」「開校することと休校にすることのメリットとデメリットを考えた時にどうだろうか。」「感染拡大防止の為には社会で足並みを揃えることが効果的ではないか。」「みんなの健康を第一に考えるべきでないか。」などの慎重な意見など含めて、じっくりと話し合った結果、上記の様な結論に達した次第です。

結果として小中学校の休校に準じて休校になるかもしれない(ならないかもしれない)が、あくまで自分(たち)の頭で考え、肌で感じて結論を出したいというKくんの気概であったり、自治を極力手放したくないという想いが垣間見えたような気がしました。

自分で考え、行動する。あくまで主体的であり続ける。

Kくんの昨日のミーティングからそんな姿勢が強く感じられて感心しました。

そんなKくんと一緒の時間を過ごすメンバー(僕含み)は彼から何かしらの影響を受けていると思いますし、それはでもきっとKくんだけじゃなくて、それぞれがそれぞれに影響し合いながら在れているのだと思います。

IMG_6355昨日はNO MEDIA の日でした。去年度まで在籍していたHちゃんの提案で始まった毎週木曜日のこの日。(今後これがどういう風に変遷していくかとても興味深く見守っています。)午前中は地元の山郷体育館へ行って運動するグループがありました。

体験に来ているSくん含め、体育館で一緒にバドミントンしたり、サッカーしたり、

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Tくんの発案で外で50mの距離を何秒で走れるか測ってみたり

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鉄棒の技に挑戦してみたり

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ちょっとずつ年齢の違う子たちがそれぞれに響きあいながら、暖かな日差しのもと元気に遊びました。

サドベリーの生徒たちと接しているとよく「勝ち負けがあるのはきらい」というフレーズを耳にします。過度な競争だったり、評価にさらされることに対するアレルギー反応だったりするのかなと感じてみたり。でも、そんな子たちが50m走のタイムを計ったりして楽しんでいる風景を見るのはなんだか意外な感じでした。

別に何秒であったとしてもそれが今の自分の姿。本来人と比べるものではなくて、自分の中にしまっておくもの。伸ばしたいと思ったら伸ばすだろうし、興味がなければ端的に受け止めてそれでおしまいなのかもしれません。

僕なんかは競争の原理で学校時代を過ごしてきたような気がしていて、いつも人と比べて優越感に浸ったり、逆に劣等感に苛まれたり、でもそれが当たり前のものとして、じゃあ「相手に勝つためには(成績をあげるためには)」と焦点を絞って工夫したり努力したり、そんなことで自分を成長させていたところもあったかもしれません。

何もバランスなんだろうなと思います。「競争」を「共創」と書き換えてみたり。要は自分なりのバランスで自己の成長を促していけたら良いのかもしれません。

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Aちゃんは唯ちゃんにネイルをしてもらう約束をしていたみたいです。たっぷり時間をかけながらとても可愛いネイルになっていました。

IMG_6393周りに女の子たちも興味津々で様子を観察していました。

女の子は可愛いものが大好きですね。

男の子たちは我関せずで外で元気よく遊んでいましたよ。

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いつも仲良し2人組。外でも元気に走り回ったり、散歩に出かけたり、棒を色々なものに見立てて遊んでいたり。「画面」が無くても上手に楽しく遊ぶ姿がありました。

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気候が良いと、外の時間も気持ち良いですね。お昼は小屋の屋根の上で食べていました。

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自分が気持ち良いなと思える空間。時間。仲間。「3つの間」

IMG_6395どうしてもコロナと結び付けてしまいがちですが、田舎ってホントに広々としていて良いです。

3密とは程遠い環境。

ウィルスに対する抵抗力もここの生徒たちは大きいんじゃないでしょうか。

沢山の菌と自然と共生しながら生き合っていく。with corona / with virusの時代になるんだと思います。いかにウィルスとも共生していくか。いかに自然界とも共生していくか。

そんなことをこのコロナ騒動を通じて共に経験していっているんだと思います。

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ブランコを改良しようと取り組むTくん。

手作りの遊具を補強しながら、改良しながら遊んでいます。

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生徒たちの楽しそうな様子を間近で触れさせてもらっていると「良い時間だなぁ」としみじみと感じいってしまいます。今にもこんな時間が侵害されようとその足音が聞こえてくるようですが、願わくばそんな状況に陥ることなく続いて欲しいものです。

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休校になって、家で出来ることもあるだろうし、そんな経験をすることも今後意味あるものになるかとは思うけれど、仲間・時間・空間そんな環境で出来得ること、どう折り合いをつけていくか、今後もみんなと考えていきたいです。

文: スタッフ 長谷洋介