新田サドベリースクールでは色々な人が色々な形でここの生徒たちと関わってくれています。
ますますその様になっていったら良いなと思っていますし、リアルな経験は経験した人全てに何かしらの刺激があるわけで、それが即効的に効く人(こと)と、数年後ふとした時に「あのときのあの経験は・・・」と効いてくる人(こと)とがあるでしょう。
魅力的な仕事・生活をしている保護者さんも多く、去年度ではインテリアデザインの仕事の現場にお邪魔させてもらったこともありますし、馬耕体験をさせていただいたこともありました。
地元のレストランのシェフのお話を聞く機会があったり、林業家さんの協力で冬用の薪の調達を協力いただいたり、小屋の材料にと製材所さんの協力をいただいたこともありました。
何がスクールにとってプラスとなるか、その時その時メンバーが感じ考え、行動していますが、「スタッフ選挙」というのも、アメリカのサドベリースクールをモデルにしながら、スクールでスタッフとして働きたいという人がいた時には「スタッフになって欲しい人をメンバーが自身で選ぶ」選挙という形でここ数年やっています。
やりながらどういう形が良いのか、経験しながら形というのはブラッシュアップされていくものかもしれませんが、去年度常勤でスタッフをしてくれていたまさちゃんは今年度は月に2日をベースにスタッフとして関わってくれることになりました。
朝には「まさちゃんおはよー」「おーまさちゃん久しぶり!」と生徒たちが声をかける場面がありました。
去年の慣れ親しんだ光景に多くの生徒(僕含み)が懐かしさを覚えました。
まさちゃんも「変わらない日常がここにはあるなぁ」となんかホッとしている様でした。
まさちゃんも去年度と比べたら担当する業務から解放され、より生徒と一緒にフランクにフラットにお話する姿がたくさんあって昨日は(も)和気あいあいとした時間が流れていました。
Yちゃんは雅ちゃんにも「動物の森」の魅力を語っており盛り上がっていました。スタッフや友達にswitchを貸して、洋服をデザインし合っていました。僕も少しTシャツをデザインさせてもらいましたが、自分で実際に手を動かしてやってみるとYちゃんのやっていることの高度さや難解さがすごくよく実感出来て、「すげーなー」と素直に感じ入ります。
昨日は「おにごしよーやー」と周りに呼びかけていたTくん。みんなにその気があまり無いことを察すると「じゃあどうしようか」と彼なりに考えたのか、今日は朝の会で「竹を取りに行きたい」と提案。午前中、僕と近所の山に竹を取りに行き、アスレチックブランコを改良していく材料の調達をしていました。
畑チームは去年度収穫してそのままになっていた大豆が気になったのか、「ちょっと関わったみんなで分配しよう!」とKくん。関わった作業量に応じて大豆を分配する作業に取り組んでいました。
「豆腐作ろうかな」とか「これを一部まいて枝豆としてまた食べようかな」とかそんな会話が聞こえてきました。
Sちゃんは今年度は準メンバーとしてスクールに通う選択をしました。
家での時間、スクールでの時間、自分でバランスをとってしばらくしていくのだと思いますが、「水曜日と金曜日は来ようと思ってる」と伝えてくれました。まさちゃんと楽しそうにアイドルの話に花を咲かせていました。
ホントにそれぞれがそれぞれの「好き」に一生懸命で実直で、そしてそれぞれのその「好き」を周りのメンバーも肯定していて、「あるがままの自分を受け入れる、受け入れてもらえる環境」というのがここにあるんだなと感じています。
新スタッフの唯ちゃんと話していても「まだうまく言語化出来ないかもしれないけれど、あるがままを受け入れてもらえる環境があるということにすごく価値があって、その場に対して自分が出来ることがあるならば力を尽くしていきたい」というような言葉が聞こえてきます。
サドベリースクールの価値ってなんだろう?とこのコロナによる大きな社会変動の波に呑まれそうになりながら、一生懸命頭の中で構築しようと僕もしていて、それは焦らずに時間をかけてやっていくべく作業だと思っていますが、
学校で教わるような教科の知識やスキルというのは色々な習得方法(対面・リモート・自学など)があるということが多く認識されてきている中で、この6歳から22歳(新田サドベリースクールの対象年齢)くらいの時期にどんな時間の過ごし方や、知識・知恵・能力の習得が大事なのかなということは最近よく考えることです。
そうして考えていくと、やはり「主体性」というのは1番のキーワードになってきて、必要な知識・知恵・能力というのは得手不得手などがあるので、一律に「これ」ということは言いづらい中で、それでも自分が「これ!」と思った事を、継続的にやり続け磨き続けていく姿勢というのはとても大事になってきて、それをしていこうと思ったときには、外的動機付けよりかは内的動機付けが一番大切になってくるのであって、「自分で感じて考えて行動していく習慣」とそれを続けていくエンジンというのは宝物のように感じます。
今回のコロナを機に、今までの多くの常識が覆され、社会的な価値観も変容し、目指すべき社会の形も変わってくることと予想される中、自分というものをしっかり捉え、社会を捉え、自分をいかに社会に融合させていくか、自分の「好き」「得意」をいかに社会に貢献させていくか、そんな能力、姿勢が今後より問われてくるのだと思います。
子どもが肌感覚で感じている「好き」「やってみたい」と思うことにとても価値があって、今はそれをとことんやっていくことに今後価値が増幅していくのかもしれません。
その為に新田サドベリースクールで大事にするべきこと、力を入れていくべきことによりフォーカスしてスタッフとして関わっていきたいと感じています。
政府の緊急事態宣言を受けて、鳥取県は未だ感染者が出ていませんが、県としても対策本部が設けられ、町としても対策本部が設けられています。
東京と鳥取とでは温度差がとてもありますし、状況もとても異なります。
同じ鳥取県でも都市部と新田のようなかつて限界集落であった県境の集落とでは状況はとても異なります。
でも、コロナへの対応に関しては足並みを揃えて対応することの意義も大いに感じているところです。(人の行き来も盛んですし)
今後も、スクールメンバーとともに、スクールの運営についても話していきたいと思っています。
コロナを通じて、ともに話す事、考える事がたくさんあって、とても良い学び・経験をしていると思っています。
未来を見据えながら今の話を今後もしていけたらなと思っています。
文: スタッフ 長谷洋介