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2020_06_09
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外で新田サドベリースクールの話をしたり、新田サドベリースクールに視察や見学に来る人からよく聞かれる質問に「新田サドベリースクールにはどんな子ども達が通っているのですか?」というものがある。

質問の意図としては「学校に通うのが難しくなって通っているのか、それともそうでなくて積極的にサドベリーを選択して通っているのか。」

ということだと思う。その時にはいつも「新田サドベリースクールにはこういう子ども達が通っていますとは一概には言えません。それぞれに抱えている背景、環境が異なるからです。」と応えている。

通っていた公立の学校でとても辛い経験をしてここにたどり着いた子もいれば、「先生の大きな声が怖くて」とか「学校の授業の進度が合わなくて(遅いとか早いとか)」とか「子ども自身の特性を理解してもらえなくて」とか「友人関係がこじれて」とか色々あります。

みんなもちろん何かしら思うところがあって新田サドベリースクールに通う事を選択します。

(もちろん何もなければ地元の小中学校に通うのが、近いし安いし周囲の理解も簡単に得られるし地域との繋がりも増えるし、それが一番簡単な選択だと思います。)

1人の男の子がこの度地元の小学校に通ってみるという決断をしました。

その子は小学校に進学する前年の学校体験の時に先生が大きな声で子ども達を「指導」している姿が怖くてそれが結構大きく影響していたみたいです。年長さんの時にサドベリーに体験に来て「小学校じゃなくてサドベリーに通いたい。」と小学校1年生の時からサドベリーに通っていました。

ただ、彼の中で周りの同級生は学校で勉強しているという事実や、親戚や周囲からの「学校通ってなくて大丈夫?」といった視線などから「学校に通わなくちゃ」というプレッシャーを日々感じていました。

(彼だけでなく、多かれ少なかれ、サドベリーに通う子ども達はそういった「なんで学校に通ってないの?大丈夫?」というプレッシャーの中、自分で折り合いをつけながらサドベリーに通っていると思います。)

その彼がふとした瞬間に「学校に通ってみる。」と思い立ち、先週から地元の小学校に通う様になりました。急に毎日登校するのは負担感が大きいという事で、彼のペースで週に2~3日学校に通うそうです。

そんな彼が昨日10日ぶりくらいにサドベリーに登校しましたが、周りのメンバーも温かく、自然と受け入れ、応援しているようでした。

たまにサドベリーは「学校に行きたいと思っている子を親なりスクールなりが無理にサドベリーに囲い込んで・・・」などと誤解されることがありますが、そういったことは1ミリもありません。

大事にしているのはその子その子の最善の利益ただ1点です。

その為に新田サドベリースクールが役に立てればそれだけ有難いことはありませんし、その為には社会の周りの組織団体(学校、地元教育委員会をはじめとする)と協働することも必要になってくるかと思います。

自分たちは自分たちで立ちながら、必要な人に必要なだけのものが提供出来ればそれで良いかなと思っています。

みんなの毎日が健やかであることを願っています。

2020_06_09 (16)

昨日も暑い中でしたが、午後から元気に鬼ごっこをするグループがありました。

昨日は15分を4セット。

1セットが終わったら「よし次やろう!」となんだか燃えていました。

セットごとに「それでもお水休憩しよう!」とまるでなんか体育会系の部活のようでした。

2020_06_09 (4)

氷オニも同じフィールドで何回も同じメンバーでしていると、オニが決まった時点で「これは面白くなりそう。」とか「これはちょっとバランス悪いから○○ちゃんオニに加わったら?」とかそれぞれの力量を正確に判断するようになってきます。

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オニも逃げる方も戦略性を持つようになってきて、いかに捕まえるか、いかに捕まった仲間を助けるかなどそんな意図が見え隠れして面白いです。(狩猟民のような)

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ちょっと油断したり、相手の術中にはまると、戦略的に絡み取られるように追い込まれ捕まります。

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将棋や囲碁じゃないですが、相手の意図を読み取りながら逃げたり追いかけたりする様がとても面白いです。

僕は氷オニを通じて子ども達と一緒にそんな体験をしていますが、きっとそれは氷オニに限定されたことでは無くて、どんな遊びも熟達してくると面白みが増してくるものなのでしょう。

2020_06_09 (10)

子ども達それぞれ全ての世界を共有することは僕には出来ませんが、子ども達のイキイキとした表情を見ると、良い学び(遊び・時間)を過ごしているなと感じます。

心のワクワク・イキイキを大切に。

子どもの権利条約が採択されて30年だそうです。

子どもの権利がますます大事に扱われる社会になっていきますように。

文:スタッフ 長谷洋介