「けんか」

2020_06_08 (14)
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快・不快の感覚を司る脳の部分、内側前脳束(脳の内部)が最近の子ども達は活性化されていないという話を聞いたことがある。

快・不快という情動は「したい」「したくない」という感情の部分で「正しい」「正しくない」という価値の部分とは異なる。

この快・不快の感覚を司る脳の部分を動物脳・「正しい」「正しくない」の価値の部分を司る脳は大脳新皮質で人間脳と言われたりする。

動物脳はずっと古い時からある部分なので多くの生物と共有出来るが、人間脳の部分は他者と共有するのが難しい。

「正しい」「正しくない」という価値基準は世代を越えたら異なったりするケースがあったり、国・地域が異なると違った価値がままあるからだ。

大人(例えば学校の先生やお父さん・お母さん)が言う「正しい」ことばかりをインプットする作業ばかりに時間を費やし、動物脳の部分の刺激が少ないまま発育すると、この快・不快の情動をキャッチするレセプター(受容体)が発達せずに、たくさんの快・不快感情が生まれた時にその感情を上手くコントロール出来ないということが起きてくるそうだ。

例えば「恋愛」というものはこの快・不快がもろに出てくる経験で、最近「恋愛」することに臆病な人が増えてきているのはこの動物脳の発達が十分でないからではないかという人がいた。

「先進国」と言われている国・地域で未婚化・晩婚化が進んでいるのはそういったことが背景としてあるのかもしれないと邪推した。

「傷つきたくない」「傷つけたくない」

人は誰しもそうなのかもしれないが、情動がバーッと動いたときにしっかりとそれを自分で受け止めることが出来るような練習は必要なのかもしれないと思った。

前置きが少々長くなったが、「けんか」「口論」というものは子ども同士のそれを見受けると大人はついつい「正しさ」でもって仲裁してしまうことが多いかもしれないが、見守れる限り見守ってとことん自分の言い分を相手に聞いてもらうという作業は動物脳を鍛えるうえで良い練習なのかもしれないと思っている。

新田サドベリースクールでは3時になると掃除・片付けの時間となり全員で掃除場所を分担しながら掃除が始まる。

最近は3時を過ぎると「Hくん掃除して」となかなかすぐに掃除を始められないHくんにYちゃんやAちゃんが声をかけるようになってきた。

言う方も、言われる方も、良い気持ちはしないだろうが、それでも言うのは「みんなで決めたルールを大切にしたい。」「Hくんにもみんなと同じように掃除してほしい。」とかそういう気持ちからなんだと思う。

何回も何回も同じことを言うのは、言う方も言われる方も体力や根気がいる。

最近はお互いどうしたら良いんだろうと、昨日は「どうしたら3時になったらみんなと掃除できる?」と相手の意見に耳を傾けるYちゃんの姿があって、Hくんは「3時~3時15分までと掃除の時間を決めるんじゃなくて、みんなが掃除終わったら15分経ってなくても掃除終わりにしたら良いと思う。(15分までは掃除の時間だからそれ以外の活動をしようとすると、「まだ掃除終わってないからまだやってるところとか手伝ってよ。」などの声がかかる。)

何が「正しい」かは分からない中で、どうしたらそれぞれの「不快」が軽減されていくか、対話の中でそれを主体的に見出していこうとする姿勢が見てとれます。

ケンカとか口論とかあまり見たくないかもしれませんが、一生懸命動物脳(生きていくために根源的に必要な部分)を鍛えているのだと思ったら、すぐに仲裁せずに見守り、一緒にどうしたら良いか考えてみようと思えます。

掃除だけでなく、鬼ごっこやその他の遊び生活の中でも頻繁にぶつかる場面は大なり小なりありますが、そんなぶつかり合いを繰り返しながら自分と他者と折り合いをつけていく練習をみんなでしているのだと思います。

2020_06_08 (4)昨日も暑い日でした。

最近は昼頃から外で遊ぶパターンが多いです。

昨日も鬼ごっこで汗を流しました。

オニに追いかけられると「ワー」とか「キャー」とか本気になって逃げます。

Sくんは「怖い」と本気でオニの事を怖がっている節があってちょっと可愛いなと思いました。

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栗の木にロープを巻いたり垂らしたり

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木登りの得意なKtくんが上からロープを揺らして、違う子がダイナミックに下で捕まりながら揺れている光景もありました。

色々な場所で色々な遊びが発明され楽しまれ

子どもは遊びの天才

なかなか自由に遊べる環境って今のこの社会では限られているなと思ったときにここでの子ども達は自由度の高い時間を過ごしているなと思います。

自由の中にある学び、育まれる事にフォーカスしながらこの空間・時間・仲間を大切にしていきたいなと思いました。

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見学の子の案内をするYちゃん

子どもに案内してもらう方が安心感はあるかと思います。

2020_06_05 (7)ロフトの床が外されてネットになりました。

建物内の空気の流れが変わったように思います。

夏仕様ですね。

2020_06_08 (2)

「Kkくんマイクラ教えて」「mcreator教えて」とKkくん先生は忙しいです。

昨日も放課後熱心にプログラミングの研究をしていました。

「やりたいことがたくさんある。」のだそうです。なにより。

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インスタ映え

インスタ開設してなんだかんだまだ投稿がありません。

記念すべき第一回投稿は誰でしょうか。

2020_06_06

中国地方は木曜日から梅雨入りだそうです。

(動物脳・人間脳の話は日本冒険遊び場づくり協会の天野英昭さんの講演で聞きました。久しぶりにインターネットで検索してみたらインタビュー記事が載っていました。ついつい読みふけってしまいました↓)

遊ばないと、心が死んでしまう
子どもにとって「遊び」は「魂の活動」
 (天野秀昭さんインタビュー)

文:スタッフ 長谷洋介