最近お菓子作りに精を出しているIちゃん。
暇を見つけては、さっとクッキーを焼いたり、マドレーヌを焼いたり
先週の木曜日、多くの子が近くの体育館へ活動に出かける中Iちゃんはロッジに残り唯ちゃんとお菓子作りの環境を整える話をしていた様子。
体育館から帰ってみるとIちゃんから
・「お菓子作りに必要な道具(14点)を買いたい。
・鳥取のセリアに買いに行きたい。ただ買い物に行くのはもったいないからみんなで(行きたい人で)鳥取に遊びに行きたい。
という提案の紙が貼られていた。
その日の新サ会(スクールミーティング)にて、Iちゃんの上記提案2点について話し合われた。
最近お菓子作りに熱心なIちゃんの提案だけあって、道具(14点)を買う提案については満場一致でOK。
続いて、鳥取行きについて話し合う。
「私も行きたい。僕も行きたい。」
7人ほどがサッと手を挙げる。
「7人ほどだったら僕の車で全員乗っていけるけど。」と僕。
するとIちゃんは唯ちゃんの方を見つめながら、「買い出しは唯ちゃんと一緒に行きたい。」
すると唯ちゃんの車では7人は乗れない。
「汽車でも行きたい!」
「汽車を使うと〇〇円になって、車で行くとなると〇〇円。」
汽車を使うと車で行くのと比べると3倍ぐらい割高になるという試算もIちゃんは準備。
それでも汽車で行きたいという人が多数。
どうする?どうする?
その日、休みだった正メンバーの話を翌日聞いてから決めるということで木曜日の新サ会は閉会。
翌日、休みだった2人も交えて話し合い参加。
結果SくんTくんを除くメンバーは鳥取へ行きたいとのこと。
SくんとTくんはロッジに残ってのんびりと過ごしたいとのことだったが、そうすると鳥取引率にスタッフ2名が必要となり、ロッジに残るのにサポーターさんへの依頼が必要そうだということになる。
SくんとTくんは、「鳥取には行かない。ロッジに残る。」とだけ伝えて、話し合いには参加せず、それでも、ロッジに残る人の意見を聞かないと、どうサポーターさんを依頼して良いか分からない。そもそもサポーターさんが必要な人たち不在のまま、話し合いは出来ない!と結局、全員円座になって話し合うことに。
2人残るとなると、サポーターさんへの依頼が必要になること、サポーターさんへの依頼は直前すぎて調整がつくかどうか不明。
などなどみんなで話し合う中で
「一緒に行こうや!」
「サポーターさんにお願いするとなると、依頼の必要性や人件費も余計にかかるで!」
などなど説得に走る、鳥取行きたいメンバー。
当初残りたいと主張していたTくん(SくんはTくんが残るなら残るというスタンス)が、「やっぱり鳥取に行こうかな!」と鳥取に行く気持ちに傾いたところで、よしじゃあみんなで行こう!と決定。
汽車で向かうチーム
車で向かうチーム
着いてからはセリアでお買い物。
お買い物の後は?帰りの汽車(2時10分発)までの時間の過ごし方は?
スタッフはどうしたら良い?
どうしたら安心して過ごせる?
「身体は1つしか無いから、あっちやこっちやてんでバラバラになって付いてきて欲しいと言われても困るんだけど・・・」
と不安を伝える。
すると「グループに1人スタッフが付いたら良いと思う。」「通信機器を持っている人が一人グループにいたら安心じゃない。」
などの意見が出てくる。
具体的にどんな行動をするかは、その時は具体的な案は出なかったけれど、とりあえずグループで行動出来るならば安心と、鳥取駅周辺でみんなで過ごすのだろうと、その日は閉会。
翌朝、汽車チームと車チームで鳥取駅に向かい、風紋広場で円座になって、その日の行動について確認。
「私は大丸とイオンに買い物に行きたい。みんなは何がしたいの?」とAちゃんの問いかけに
「Kは市立図書館と県立図書館に行きたい。」とKくん。
「私たちは唯ちゃんと一緒にスイーツを食べたい。」とKhちゃんIちゃんKyちゃんTちゃん。
「どこか公園に行きたい。」とTくん。それに便乗する形でYくんとSくんも呼応。
「俺はなるべく色々なことをしたい!」とKtくん。
じゃあ、具体的にどうする?
と相談するメンバー。
しばらくの話し合いの結果
・まずはみんなでセリアに買い物に行く。
・セリアの後すぐに公園に行くチーム(Tくん、Yくん、Sくん。引率洋ちゃん)
・セリアの後すぐに市立図書館に行くKくん。
・大丸で買い物したあとに公園に向かうチーム(引率唯ちゃん)
12時に公園に集合してお弁当を食べる。
と決めて出発。
はぐれたら風紋広場に集合。念のためにお守りとしてスタッフの電話番号が書かれた紙をポケットに忍ばせるメンバー。
セリアではそれぞれが色々なものを物色。
「この店にあるもの全部100円?」と初めて100円ショップに来たような子はちょっとした驚き。
いや、本当に100円ショップって凄いですね。
絶対これ100円じゃ作れない、自分だったら売りたくないと思えるようなモノたちばかり。
おもちゃを買う子がいたり、「お皿とか好きなんだよね。」とお皿を買う子がいたり。
IちゃんとKくんは事前に承認を取っていたスクール備品をせっせと買い揃えていました。
ロッジに残る!と当初言っていたTくんとSくん、それにYくんも加わって、いつもの仲良しメンバーで鳥取散策。
普段、鳥取にそれほど馴染みのない子たちが、自分たちの足で色々と歩き回る。
ちょっとした緊張感と、刺激と、好奇心と。
かばんには家から持参したと思われるお菓子。
それを分け分けしながら、みんなで仲良くお菓子を食べながら。
普段と違うと使われる感覚も新しい。
「これはこれで楽しいよね!」
と折に触れながら話する3人。
先に着いたメンバーが公園で遊んでいると後発部隊も揃って公園に到着。
ナビを見ながら、地図を見ながら、現地に集合しました。
携帯で随時連絡を取りながら、みんなの存在を感じながら過ごせたんじゃないかなと思います。
公園には猿がいたりヤギがいたり孔雀がいたり、こじんまりとはしていますが色々な動物たちを見ることが出来ました。
動物を見たり、子ども遊具で遊んだり
ひとしきり公園で過ごしたら、時計を気にしながら「そろそろ1時だから風紋広場(1時45分集合予定)に向けて出発しようか。」と誰ともなく声が上がり、集合場所に向かって移動し始めるメンバーたち。
自信を持って歩く子と、その自信を持って歩く子を観察しながら歩く子と、ワーッと前を走っては後ろを振り返りながら方向を確認する子たちと・・・。
「色々なお店があるんだねー」
「人がたくさんいるね。」
自転車が来ると「みんな端っこを歩いて!自転車だよ!」と注意する声掛けがあったり。
普段山の中で過ごしていると、たまの街歩きが新鮮です。
「そうは言っても日本の人口最少県だけどねー。」とAちゃん。
それでも普段過ごしている環境と比べるとだいぶ街です。
集合時間より前に全員がしっかりと集合完了。
鳥取駅で帰りの切符を買って帰るチームと、車に乗って帰るチームと。
普段あまり乗ることの無い汽車に乗ったり、街をブラブラしたり。
楽しかったり、緊張したり、新しい発見や気づきがあったり。
なんでも挑戦することによって次に繋がっていきます。
失敗から学ぶことも多いですね。
取り返しのつかない失敗は避けるべきですが、小さな失敗を繰り返しながら強くしなやかに成長していくものだと思います。
帰りの道中でも、それぞれの思い出を色々と聞かせてくれました。
唯ちゃんとスイーツチームも至福の時間を過ごしたようで、写真からその様子が伝わってきました。
女子は可愛いものとかスイーツとか好きな子が多いですね。
「たまにはいいよね。」
って言葉はこの日たくさん聞こえてきました。
ほんとにたまにはいつもと違うことをしてみる。
たまにはちょっとしたチャレンジをしてみる。
大事だなぁって思える1日でした。
天気にも恵まれて、大きなトラブルもなく、楽しく1日過ごせました。
文:スタッフ 長谷洋介