自分から社会に足を踏み入れ、自分の社会を構築する

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「サドベリースクールって難しいよね。」

月に1回全国のデモクラティックスクール・サドベリースクールのスタッフ・メンバーがオンライン上で集まって色々情報交換する交流会があります。

そこであるスクールのスタッフが言っていた一言は印象的でした。

コロナをきっかけに、学校の在り方や、勉強の在り方なんてことを世界中で多くの人が考えるようになってきていると思います。

国内にも、色々なタイプのスクールが立ち上がっていっているかと思います。

ある程度大人が子どもたちに「勉強」、「本物体験」を提供するような場の方が、安心する子どもや大人が多いんじゃないかと僕自身も思いますが、サドベリースクールは大人の方が一方的に提供する前述のようなことがありません。自分たちで自分たちのスクール(社会)を創り上げていきます。

所属する生徒たちが、自分の必要に応じて、自分の力で自分の「学び」を含めて時間・環境をデザインしていきます。結果スタッフと言われる大人が「勉強」、「本物体験」などを提供するような場が生まれることもありますが、あくまで生徒の主体性が尊重されます。

そういった意味で、サドベリースクールはとても自由ですが、その自由を自分自身にとって心地良くしていけるかどうかは生徒に委ねられるところです。

自由は薬にもなりますし、その自由に「暇」「どうして良いか分からない」など、特に「自由」であることに慣れていない人は戸惑いを覚えるかと思います。

Kくんは1年生の5月からスクールに通い始めて6年目になります。

「サドベリー最高!自由最高!自分たちでスクールのルールも話し合って決めていけるの最高!」とサドベリー大好きっ子ですが、最近はよりその自由を享受するために、新サ会に参加しては、自分が日々過ごすスクール環境の改善に努める姿が見える様になってきました。

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「サドベリーのスイッチにROR2のオンラインソフトをダウンロードしたい。(そうしたら複数人でそのゲームを楽しめるから。)」「プロコンをサドベリーの活動費で買いたい。(いつも人に借りてしているけれど、サドベリーにあったらそれを使うことが出来るから。)」「バレーボールを個人活動費で買いたい。自分のボールがパンクしてしまったから。本当は1つで良いんだけれど、出来れば2つあった方が良い。」

新サ会にて議案を提案する際には、提案書に文章を書かないといけなかったり、参加メンバーに対して自分の意見を提案しないといけなかったりと、ハードルがあります。

そこのハードルについては折に触れて考え話す機会があったりしますが、現状はそのような感じです。

そのようなハードルを越えて、訴えたいことがある。提案して実現したいことがある。

そんな気持ちで臨む気概の様なものをKくんから感じました。

そういったことに慣れてくると、どんどんスクールに対して主体的になっていきますし、自分の思い描く良い環境に向けてデザインしていく力も養われていきます。

実社会に鑑みても、おとなしく大衆化していたら楽な部分はあるけれど、何か違和感を感じたり、実現したい社会があったとしたらちょっと大変なこともあるけれど声をあげて行動していくという事はあるかと思います。

いかに自分の人生を生きるか

生きたいように生きる力を養う

自分の人生をデザインする力

そんな力を新田サドベリースクールで養っているんだと思います。

文:スタッフ 長谷洋介