3日目の朝もラジオ体操から
朝ごはん Yuちゃんがみんなにご飯をよそってくれています。
この日はゲストで外部講師にもなってくれている蜂獲り師の熱田安武さん(ふくちゃん)が来てくれました。
それまでワーワーと騒いで遊んでいた子たちもピタっと動きを止めてスクリーンの前に陣取ります。
キャンプが始まって初めて訪れた静寂の時だったかもしれません。
それだけ子どもたちを引きつけるものがふくちゃんにはあります。
最初にふくちゃんの自己紹介、そして生活、仕事の話が続きます。
多くの子どもたちがふくちゃんの言葉を聞き漏らすまい、写真を見過ごすまいと五感を澄ませます。
なぜシカを生け捕りにするのか
四季折々の旬の食材を少しずついただく美味しさと喜び
仕事に対する想い
子どもたちに分かりやすいように優しい言葉でゆっくりと語りかけていきます。
途中の子どもたちの質問も真剣そのもの
質疑応答含めて45分くらいの時間だったでしょうか。
子どもたちは終始集中して話に耳を傾けていました。
それだけふくちゃんの話はホンモノだったのだと思います。
話の後は「クロスズメバチを追いかけて巣をつきとめる」というハチ追いのアクティビティに移りました。
まず最初はその準備で川にエサとなる魚を釣りにいきます。
目印となる葉を子どもたちに採って来てもらったり、魚の餌となるミミズを獲ってきてもらったり。
子どもたちもダッシュでふくちゃんの要求に応えていきます。
楽しみで楽しみでしょうがないといった感じでした。
ミミズを集めていざ出発
魚がたくさんいるポイントをKzくんとSnくんが案内します。
「1つ約束。魚に姿が見られたらとたんに釣れなくなるからこの線より前には行かないこと。」
魚釣りにも技術があります。
人間の姿を見せずに餌を魚の口元に持っていく。
するとものの1分程でひょいひょいと2匹の魚が釣りあがりました。
子どもたちは嬉しそうに目がキラキラ
遠目から真剣にふくちゃんの姿を見つめる子どもたち
ちょっと線を越えて来てしまったものだからとたんに釣れなくなる。
面白い。
ハチ追い用にふくちゃんが4,5匹釣ったところで子どもたちにチェンジ
身を隠しながら釣り糸を垂らしてみます。
ふくちゃんの様にササッと、というわけにはいきませんが、それでもAkくんとTkくんの2人で4,5匹釣っていました。
すごいなぁ 圧倒的な技術力と指導力
釣った魚+田んぼで捕まえたカエルでエサの準備は完了。
お昼になりました。
お昼はそうめん。
みんなで食べてすぐにふくちゃんは館の屋根裏に巣作ったキイロスズメバチの巣の駆除にとりかかってくれました。
「これからハチを刺激するから外には出てこないで。」とふくちゃん
子どもたちはそれでもその姿を少しでも見ようと窓際に集まります。
防護服を着て脚立で登っていきます。
キイロスズメバチの巣の駆除を生で見るのは僕も初めてでした。
出入り口を密閉しながら薬を注入していきます。
帰ってきた蜂は粘着シートでくっつけていました。
そんなに見えないだろうに窓にピターっとくっついてその様子を覗きこもうとするAkくん。
僕はもっとハチの巣の駆除は壮絶なものを想像していましたが、淡々と作業は進み、15分程で完了しました。
最後は出入り口に粘着シートを貼って帰ってくるキイロスズメバチをどんどんくっつけていました。
初日から館にキイロスズメバチの巣があり、子どもが刺されやしないかヒヤヒヤしながらのスタートでしたが、結局1人も刺されることなく過ごせたのがとても良かったです。
(ナタを砥石で研いでいるところ。何をしててもふくちゃんの周りに子どもたちが寄ってきます。)
さて、ご飯も食べてハチ追いに行く人と館に残る人に分かれました。
半分くらいの子が山に行くと言ってついて来ました。
行かないと言っている子を無理には連れていきません。
魚釣りで満足した子、午前中の餌やりのときにクロスズメバチがさっそく登場してそれを見て満足した子、それでもやっぱりスズメバチが怖い子、他の事をして過ごしたい子
色々それぞれに事情があるかと思いますので、本当に行きたい子だけで行きました。
いくと、さっそく仕掛けたエサにクロスズメバチがいて、せっせと餌を巣に運んでいるところでした。
「この線よりなかには入らずにまず見ていてね。」
とふくちゃん。
それでもやっぱりスズメバチを相手にしていますから、相手の心象を悪くする行為をすると刺される危険性があります。
そっと、そっと、ふくちゃんの言葉に耳を傾け、動作の観察に集中力を高める子どもたち。
リボンのついたエサをクロスズメバチに抱かせて、巣まで運ぶところを追いかけます。
子どもの足なので一気に巣まではたどり着けずに、途中まで行ってもう追えないと思ったら目で追って方向を確かめます。
あっちの方向だ
って分かったらそっちの方に人数を配置して、エサ場からそっちの方向まで人を配置して、声でリレーしていきます。
「餌抱えました」
「了解」
「そっちに向かいました」
「了解」
「来た来た来たぁー」
「よしそっち行ったよ。」
「追って追って」
そうしながら徐々に巣に近づいていきます。
静かな山に子どもたちの声が響きます。
「行ったよぉ。」
「そっちで待っていて!」
2回、3回とハチを追うと巣に到着しました。
林道の下に小さな穴。
その穴からクロスズメバチが出入りしています。
「みんな、目をつぶってごらん。クロスズメバチの羽音が聞こえる?」
「うん、聞こえる。」
「そうそう。これがクロスズメバチの羽音だよ。」
「じゃあこれは?」
あぶ!
キイロスズメバチ!
ハエ!
途中でキイロスズメバチが子どもたちの周りに来ても
「大丈夫。絶対に刺さないから。動かないで。みんなのことを肉だと思ってきたのかもしれない。大丈夫。絶対に刺さない。信じて。」
ふくちゃんにそう言われると。なんだかとても安心。きっと子どもたちも変に緊張することもなく、恐れを抱くこともなくキイロスズメバチの羽音に耳を澄ませていたことでしょう。
「キイロスズメバチが刺すのは巣の近くで、暴れられたら、振動を起こしたら、大きな声を出したら。」
「今は巣から出て餌を探しているところだから絶対大丈夫。」
また蜂を身近に感じた瞬間でした。
さて、巣を突き止めた後に、掘って巣箱で持ち帰るよりも秋までここで大きくしてから、秋にまた収穫に来よう、ということになりました。
そこで、子どもたちもクロスズメバチにリボンをつけることに。
切り込み隊長のSnくん。
勢いよく「やってみたい!」と発言。
ふくちゃんがやっていたように、リボンにエサとなるカエルの肉を付けて、クロスズメバチを呼び込みます。
ただ、そのやり方がクロスズメバチのことを考えない乱暴なやり方だったので、ふくちゃんに注意を受けました。
「そうやって乱暴に餌を近づけられたらSnくんはどう思う?嫌でしょ?ハチも一緒。そーっと丁寧にしないと出来ないよ。」
ちょっときつめに注意されて、Snくんはちょっとびっくりしていたけれど、それでも上手にやりたいから一生懸命ふくちゃんについていきます。
そーっと そーっと
すごい集中している顔です。
なかなか上手く爪楊枝の先に乗り移りません。
アドバイスを聞きながら
そーっと そーっと
乗った!
あとは爪楊枝に刺している肉をそーっと離してクロスズメバチを飛び立たせます。
左手でエサを取ってやりながら、クロスズメバチを手に乗せてやります。
飛び立ったものをみんなで一斉に追いかけます。
「あっちだ」
「さっきと違う巣だぞ!」
「いけいけ!」
Snくんに続いて他の子もチャレンジします。
今まで何気なく足を踏み入れていた西村山だけれど、僕たちが踏み入れている間にも、こうしてクロスズメバチは餌を探して巣に運んでいたんだと思うとなんだか感度が1つ高まったように感じました。
クロスズメバチだけでなく、巣の違うキイロスズメバチ同士がケンカする姿も見られましたし、慣れ親しんだ山がなんだか違った空気感に包まれているような、そんな感覚になりました。
山で1時間半くらいでしょうか、ハチ追いを楽しんだ後に、研いだナタの切れ味を見せてもらいました。
スパッと小さな木を伐る様を見て子どもたちも「おぉ~」
僕もやってみたい 私もやってみたい
と何人かチャレンジしましたが、同じ道具を使っていてもなかなかふくちゃんと同じようには伐れません。
あれぇ おかしいなぁ
「角度やで 角度」とふくちゃんからのアドバイス
うーん 伐れたけれど、切り口に全然納得のいっていないKzくん
Khくんもなかなかすぱっとはいけませんでした。
数ですね。
3時 そろそろ帰ります とふくちゃん
みんな名残惜しそうにふくちゃんを追いかけて見送りました。
とてもとても凛とした、緊張感ある中に新たな世界との遭遇という喜びに満ちた時間でありました。
ふくちゃんどうもありがとうございました。
また秋のハチの巣の収穫も子どもたちと共に楽しみにしています!
ふくちゃんが帰って緊張感をほぐすかのようなゆら~としたこのトランプの感じも素敵でした。
トランプで気持ちを落ち着かせるかのような。
そしてまた川へ行くボーイズ
初日に仕掛けたペットボトルの罠に魚が一匹かかっていました。
ペットボトルの罠に捕まる魚を僕は初めて見ました。
捕まるもんなんですね。
釣り ハチ 釣り の2人
最後の夜はBBQでした。
子薪職人
スイカ割りして
たこ焼き屋のおっちゃんが登場して
たこ焼き屋のおっちゃんがみんなに花火を配って
みんなで花火を楽しんで
キャンプ最終日が終わっていきました。
4日目の朝
とラジオ体操
朝ごはんを食べて洗面をした後に部屋の掃除をして、余裕しゃくしゃくでカードゲームをする女子と
なかなか掃除が進まない同時刻の男子部屋
それでもなんだかんだで9時半から帰りの会でみんなですこしずつキャンプを振り返って10時に解散することが出来ました。
大きな怪我や病気がなく、みんなが元気に四日間過ごせたのが何よりでした。
みなさんどうもありがとうございました。
宿題の終わっていない子どもたちはラストスパート頑張ってください。