新田サドベリースクールでは基本的に予め決まった行事予定はありません。
毎日毎日その子その子がしたいことを積み重ねていく場所ですが、何か特別な活動(例えば遠足とか)を行おうと思ったら、新サ会(スクールミーティング)にて提案して話し合って決定します。
何も考えなくてもしなくても待っていたら色々なプログラムが用意されていて体験出来るといった場所と比べたら、難しい側面もあるかもしれませんが、やりたいことを自分で準備して体験していく面白みはあるのかもしれません。
旅に例えるならば、色々なものがパックになっているツアー旅行と、自分で寝床の確保から行動からを考えデザインするバックパッカーの違いに似ているかもしれません。
Sくんは「サドベリーで山に登りたいなー。小屋作りたいなー。海・川に行きたいなー。」と胸に秘めている事はたくさんありそうです。
今回、初めて年上のメンバーやスタッフに相談しながら「海に行きたい!」という提案をしました。
「いつ・どこに・だれが・どうやって・ガソリン代は?・」などなど人に聞いたりしながら、提案書を書きました。
人数も少し多くなってきて、調整が色々大変なところがありますが、根気強く、人に聞いたり、相談したり、お願いしたりしながら遠足を計画していきました。
まだ、最終的な調整は済んでいませんが、大枠の合意はとりつけることが出来ました。
ちょっとずつ提案なども経験したり、イベントを計画する経験を経て、日々の自分の時間をより豊かにデザインしていく力がついていったら良いなぁと思います。
出来なかったことが出来るようになった瞬間に立ち会うことが出来るのは、スタッフをしていて一番嬉しい瞬間の1つだと思います。
Mr.シンプルのSくん。
「お腹すいたなぁ。今日は弁当持ってきてないからなぁ。どうしようかなぁ。」となんとなく僕の傍らにきて呟くSくん。
「野草を摘んできて野草天ぷらにして食べる?」「小麦粉があるからこねてパンにして食べる?」「コメもあるよ。」
などなど話していると
「パンなんて作らない!クッキー作って食べよ!洋ちゃん手伝って!」
と、クッキー作りが得意な子にレシピを聞きながらクッキー作りを始めるSくん。
飄々とクッキー作りに励み、見事に美味しいクッキーを沢山作ってゲットして食べていました。
いつも家からの持ち物は最小限。
でも毎日楽しそうに過ごすSくん。
身軽なこの感じに僕も少なからず影響を受けています。
文:スタッフ 長谷洋介