没頭力

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とてもとても、印象的な2日間だったので…
読んでくださっている方には若干しつこく感じられるかもしれないけれど、一泊二日の「お誕生日会」の様子を、また別の視点からご報告したい。
昨日のブログ冒頭でご紹介したとおり、今回は珍しく女子からのお泊り会の提案だった。
7~9月にお誕生日を迎える生徒のうち、半分以上が女子だったからという理由ももしかしたらあるのかもしれないが、
今回の女子の「没頭力」には、本当に目を見張るものがあった。
料理チームの活躍についてはすでにご紹介したので、今日のブログでは、「飾り付け」について感じたことを共有させていただきたい。
実は、飾り付けチーム3名はパーティの1週間前に立候補で決まっていたものの、当日の朝までその3名には何の動きも見られなかった。
当日の朝、ごはんチームとデザートチームが忙しくメニューを再確認したり、買い出しに行ったりしている中、飾り付けチームはまだ「何をしよう・・・」といった雰囲気だった。
火がついたのは午前11時頃。
飾り付けチーム最年長のSちゃんが、自分の中に飾り付けイメージがまだはっきりしないままに、折り紙を取り出して切ったり折ったり破いたりし始めた。
それを見ていた他のメンバーが、セロテープやはさみを持って集まりはじめ、そのうちごはんチームやデザートチームのメンバーも加わって、すぐにテーブルや床の上は一面折り紙で占められた。
仕上がりについてのお互いのイメージが食い違っていたり、作業内容が気にくわなかったり、遠くから見ていると決して「みんなで仲良く」という感じで始まったわけではなかった。
それでも開始から1時間が過ぎ、お昼も過ぎたが、一人として「疲れた。」とか「お腹が空いた。」とか「やめよう。」という生徒はいなかった。
そして、作業開始から2時間が過ぎた午後1時過ぎ。
「高いところに届かないから、手伝って!」と、ようやくスタッフに助けを求める声がかかった。
ようやく出番!と手伝いに行こうとすると、「俺がやる~!」と、近くにいた男子生徒がさっさと手伝い始めてしまった。
サドベリースクールには、時間割がない。
その良さは、こんなときに心底実感する。
もしもスタッフが、
「そろそろお昼だから、片づけて!」とか、「次は〇〇の時間にするから、続きは明日にしようよ。」
などと声をかけていたら、きっと今回のような生徒たちの「没頭力」を垣間見ることはできなかったと思うし、すべての飾り付けを終えた後のあの満足そうな表情や、一体感に満ち溢れた空気を感じることはできなかったのではないかと思う。
「時間の長さ」ではなく、「自分の・自分たちの満足度」によって物事を終わらせる経験を何度となく積むことは、
結局「自分はどんな事に、どの程度で満足するのか。」という指標を少しずつ確立することにつながっているのではないかと思うし、
それはきっと彼らが自分の人生を何を中心に生きていくのかと考える際に、きっと役に立つのだろうと思う。
「やりきった。」「成功した」という体験は、多ければ多いほど良いに違いない。
今日も新田サドベリースクールの生徒たちは、ひたすらそれぞれの活動に没頭している。