ペット

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「サドベリーで動物飼いたい!」
Hちゃんのことば
普段の何気ない時間での会話

「猫飼いたい」
「でも猫って20年くらい生きるらしいよ。Hちゃんがサドベリー卒業したらどうするの?夏休みとかは誰が面倒みるの?」
動物を飼いたいという話題が出るたびに、休み期間中のお世話だったり、その子がサドベリーを離れた後その動物をどうするかなどの話題になり、多くの子が「ちょっと難しいな」と思い諦めていくのが常でした。

でも、Hちゃんはずっとずっとその思いが持続し、この時もなかなか引き下がりません。

「犬は?ヤギは?ウサギは?カブトムシ?」
色々な動物(昆虫)について想いを馳せていきます。
ひとつひとつ検証していきます。

ウサギについては町内のお店で「譲ります」みたいな看板を見ていたので、電話もしてみました。
ウサギは飼育方法や里親募集みたいな記事だったりとかも見たりしましたが、結局そのお店のウサギも野生の動物に襲撃されて全滅してしまったのもあって諦めました。

色々話す中で、ニワトリはどうだろうか?
となりました。
ニワトリならば、僕もプライベートで飼育していることもあって、色々と具体的な話をすることが出来ました。

野生動物からいかに守るか。
エサは何をどれくらい食べるのか?
休みの日はどうしたら良いのか?
小屋の建て方。
運動場の有無。
などなど

1つ1つ話していく中で、ニワトリならば飼えそうだ、とHちゃんのなかで自信が持てたらしく、その日の新サ会で提案。

「ニワトリを15羽飼いたい。そのうち1羽は雄が良い。静岡の孵卵場から送ってもらうのに7000円くらいかかります。小屋の準備が出来次第、注文したいです。
小屋は近所のSさんが使っていない小屋を貸してくれることになりました。ヒヨコが到着する日は洋ちゃんと2人で鳥取まで取りに行きたいです。エサは精米所などから小米をもらってこようと思っています。近くの草も食べるそうです。もし上手に飼えて大きくなってタマゴを産むようになったら飼育する人たちで使いたいです。余剰分はサドベリーの冷蔵庫に入れておくので自由に使ってもらえたらと思っています。」
などなど
会議に参加していた子たちからの質問にもそのように答えていました。
夏休みなどの長期休みの間はその分のエサと一緒に我が家で預かることになりました。

承認がとれて、来週の火曜日にはヒヨコが来る予定です。
DSC_0014貸してもらった小屋を軽トラックでサドベリーの前まで運びました。

すごく重たく、ここまで運ぶのだけで10人ほどの力を借りてなんとかわっせわっせと運びました。

Tくんから丸太を下にかませて運んだらというアドバイスもあって、なんとかここまで運びましたが、これ以上はもっと力持ちがいないと無理だねということになってとりあえず玄関前に置いて、掃除をすることに。

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お昼を食べて、しばらくして

「やっぱり運んでみよう。」

とHちゃん。自分の目指す場所まで運ぼうとします。

それに呼応する形でKちゃんとYくん。

午前中は10人いてやっとだったけれど、僕含めて4人で頑張ってみようというのです。

出来るかなぁとやってみたら、意外と小屋が動きます。

午前中でコツをつかんだのか、傾斜も丸太を敷いてその上を丸太を転がしながら小屋を運びます。

原始人ごっこかと思えるような古風な仕事ぶり。

でも頭と体とをめちゃめちゃ使いました。

斜面を登り終えた頃くらいに気付く人たちもいて、4人で上まで上げたことにとても驚いていました。

実際運んだ4人の達成感もひとしおでした。

ここ数日、ちょっと壊れたところを直したりして、ヒヨコを迎え入れる準備をしていました。

Hちゃんの想いから発したこのプロジェクトですが、多くの子が興味関心を持って一緒に取り組んでいます。

子どもたちのウキウキワクワクする様子が伝わってきて、こちらまでウキウキワクワクします。

動物を飼う事は簡単なことでは無いかと思います。

でも実際に自分の頭と体を使ってそれらを体験していって欲しいなと思っています。

ヒヨコが大きくなってきたら小屋が狭くなるので、今度は運動場を作ろうと画策しているみたいです。

動向を見守りたいと思っています。

(文・長谷洋介)