来年度のスタッフ②

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僕が、新田サドベリースクールのスタッフをしていて「面白いなー」と思うことの1つは、生徒同士の活発な議論に立ち会えるときと、議論の結果、自分たちが良いなと思う事ややりたいなーと思う事が創造される瞬間に立ち会えることです。

前回の記事でスタッフ選挙の事を少し書きました。

Yちゃんと現場で触れて、プレゼンを聞いて、生徒たちの中には「スタッフ選挙」というものがより具体的に迫ってきている様子です。

「どうしよう?今回の選挙誰に投票しようか本当に迷う!」なんて声も聞こえてきます。

そんな中でHちゃんが「どうにか3人にスタッフとして関わってもらえないだろうか?」というような思いを新サ会(スクールミーティング)で吐露していました。

具体的な道筋は分からなくて、どうしたら良いか分からなくて困っているといった様子でした。

そのミーティングでは何かが具体的に決まるということは無く、Hちゃんの想いと共鳴する人と一緒に話し合って具体的に提案してみてはどうだろうか?という風になりました。

翌火曜日の朝、Hちゃんを中心に、選挙について話したいグループが集まって話する場がありました。(3日間設けられた投票日の初日です。)

今年度選挙管理委員を買って出てくれているKくんは、Hちゃんの話し合いを受けて、投票用紙を配るかどうか決めると朝の会で確認。

Hちゃんの呼びかけに10人くらいの生徒が集まり話しました。

Hちゃんの「立候補してくれている3人にスタッフとして関わってもらいたいんだけどみんなどう思う?」との問いに

「私も同じこと考えてた。」

「それが良いと思う。賛成。」

「去年の選挙みたいに、得票数の多い人から順に入る日数を決めてもらったら良いんじゃない?」

なんて声も聞こえてきます。

僕は立候補している立場だし、その輪には加わらずに、でも漏れ聞こえてくる声に

(今回の選挙は週に5日入ってくれる人を求めて、スクールから募集していて、その募集を受けて立候補している3人だから、今更スクールから週に3~4日で入ってくださいって言うのは出来ないだろう!とか、今日が投票日ってなっているのに、今その話して間に合うのかな?)

なんて内心思いながら。

自分たちで決めたことに対して、どうしたら良いのかなとその難しさを感じながら話をしようとするHちゃんや、ただただ単に自分が良いなと思う事を表現する生徒も。

自分たちで決めたルール(システム)に対して、どうそれと現実的に折り合いをつけながら自分の良いと思う事を実現していくか。

現代社会にも色々通ずることがあるなと、生徒たちを見ていて感じます。

・自分たちの実現したいことを手順をしっかり踏んで実現していこうとする

・既存のルール(システム)はこうかもしれないけれど、こういう風に出来ないだろうかと頑張ってみる

・既存のルール(システム)について配慮する努力少なくして、自分の想いを発信していく

・与えられたものの中で、自分の中でのベターな選択をしていく

自分を省みても社会の中で上記4点の様な行動が見られるものです。

社会のどの部分に自分をコミットしていくか、何を自分が大切にしていきたいか、というのは人それぞれで、場面場面によってその人の姿勢は変化していくと思います。

新田サドベリースクールの生徒たちは高度な社会姿勢を日々日々体験しているんだろうなと感じます。(生徒によって大なり小なり、その子のペースで。)

例えば、議会議員選挙

現職2人と新人1人の計3人が立候補(定員2名)

誰に投票したら良いのかというところから

「2名分の仕事を3人で分担してもらうことは出来ないだろうか?」

「定員2名じゃなくて3名に出来ないだろうか?」→「でもこの町民の数に対して議員3人もいらないでしょ。」

なんて話に似ているのかもしれません。

今この段階になって、どのような話になっていくのか。

とりあえず、昨日の結論としては、「もう少し考えさせてほしいから、投票日を18(火)~20日(木)になっているけれど、20日(木)だけに変えられないだろうか?」という話になり、スクールミーティングで話し合われ、

投票日が「20日(木)~21日(金)開票時間(午後1時)まで」となりました。

(木曜日にスクールに来れない人が金曜日に投票出来るように。)

今日もどんな話になるか分かりませんが、見守るのを楽しみにしています。(木曜日から投票日となっているので、今日(水曜日)の時点でどんな話し合いになるのか楽しみです。道は色々あるかと思いますが、生徒たちがどのような道を辿るのか。願わくばその道がワクワクするような道であって欲しいと思っています。)

生徒の中では、去年の選挙で本当は立候補の3人にスタッフとして関わって欲しかった。(結果週5で関わるスタッフ1人、週4で関わるスタッフ1人、週1で関わるスタッフ1人で、スタートしたが、週1で関わるスタッフが6月でスクールを離れる。)

という経験がある生徒が何人もいる中で、選挙について思うところがあるのでしょう。

結果どうなるか分からないが、色々話し合いながら、選挙に想いを馳せ、自分たちにとって何が最良なのかを考え、場として共通了解を持つというのは、とても場の力になっていくと思う。

生徒同士(スクールの主人公たち)で大いにその話で盛り上がって欲しいと、切にそう願う今日この頃。

焦ってはいけないと思いつつ、心の中で頑張れ頑張れと声を大きく応援したい。

文:スタッフ 長谷洋介