新年度が始まりました。
新田サドベリースクールは十数人で日々過ごす、とても小規模でアットホームなスクールです。
見学に来た人たちには「家庭の様な雰囲気がありますね。」とか「生徒たちはホントにリラックスしていて恐れや緊張感なんてものが良い意味で無いですね。」なんて言葉をもらったりします。
十数人という人数だからし易い事、少ないと難しいことなど、両側面あるかと思いますが、今はそんな状態です。
Iちゃんは3月の時点から唯ちゃんとミニチュア作りをするのを楽しみにしていたみたいで、昨日早速取り組んでいました。
去年までは、自分でyoutubeやtiktokを観ながら、折り紙をしたり、ミニチュア作りしていましたが、実際に上手に工作する様子を唯ちゃんのプレゼンで知って目をキラキラと輝かせていたのが印象的です。
昨日は早速、軽い木材のような材料を使って、下駄箱(靴置き場)を作っていました。
Iちゃんと唯ちゃんがミニチュア作りに取り組んでいると何してるの?と数人の男子がやってきて、Kくんは電動やすりに興味を持ち、細かく削る作業を楽しんだりする一幕もありました。
「やりたい」をやっている人の周りにはなんか素敵な空気感というものが漂っていて、周りの人を惹きつける何かがあるような気がしています。
世界の多様性なんかを知るのにインターネットが果たしている役割は非常に大きいなと感じていて、今では簡単に、外の世界にある「面白い!」にアクセスしやすくなっています。そんなのを見聞きして実際に自分も真似してみたいと挑戦している様はよく見かけることです。
自分一人で出来る事
仲間と一緒にやって楽しい事
様々ある中で、その時その時選択しながら自分磨きしていけたら素敵な事なんじゃないかと思っています。
Kくんは去年度からMcreatorに夢中です。入口はマイクラでしたが、マイクラに使えるアイテムを自分でプログラミングして、実際に使えるように出来るソフトの様で、英語版しか無いそのソフトを、翻訳ソフトなんかを使いながら一生懸命取り組んでいます。
「プログラミングと英語と同時に身についていくかな~」なんて本人ははにかみながらサドベリーの共用のパソコンを使いながら日々一生懸命取り組んでいます。
Kくんを観ていると、幕末に一生懸命西洋の文明を輸入しようと心血注いだ蘭学者たちの姿を彷彿とさせます。
「Kくん自身のパソコンがあったら、一心不乱にMcreatorやるんだろうね。」なんて声かけたら「そうかもねぇ」なんて言っていました。
Kくんの掴み取っていく力にはホントに力強いものを感じます。
昨日に引き続きYちゃんの「動物の森」トークにも花が咲いています。
僕も少しプレイさせてもらったのですが、マインクラフトの様に、自分で色々と森を(地域を)創造していったり、お金や素材を集めて自分で色々なものを作ったりするゲームで(大雑把な説明でごめんなさい。)、Yちゃんは自分でデザインした服を自身で来てコーディネートしていたり、自分でデザインした服をお店で置いて、そこの住人がYちゃんがデザインした服を購入して着ていたりします。
服のデザインの仕方なんかを昨日聞きましたが、ホントに細かい作業で、「ここに影を付けることによって服に丸みを見せることが出来て・・・」なんて細部にまでこだわっている様子が伺えます。
Yちゃんのマイクラも「動物の森」もデザイナー(クリエイター)に通ずるものを強く感じて、「こうこうこんなものが欲しいんですけど」というクライアントに対して「こういう感じですか?」というようにイメージを提供する技術のような。(上手く伝わりますか?)
一般の人がなかなか可視化出来ないものを、簡単に可視化させてしまうような、そんな技術者のような感じでしょうか。職人のような佇まいを感じます。
ホントに淡々と、リラックスしながら自分たちの心の赴くように活動する日々。
メンバーが年度が変わって少し変化し、スクールの雰囲気も少し変化したように感じていますが、どんどん馴染んできているように感じます。(2日目ですが)
子ども達の順応力はすごいなぁ。
学校の勉強などに不安感を感じて「自分はどうするのが良いのかなぁ」と去年2月3月と休学して自身の在り方を見つめていたTくん。
朝から算数の教科書を開いて問題に取り組んでいたり、そんなことをしていたらTくんやYくんがやってきて一緒に掛け算についての談議が始まったり。
学び方は多様で、学んでいく内容も多様。
これからの社会、「この知識があれば大丈夫」というよりも「学び続けていく力(エンジン)」というものが最も重要な様に感じています。
その為にはその子の内から出てくるものをジャマせずに、解放してあげる。
必要な時にはそっと誰かが寄り添う。
そんな感じが面白いように感じています。
幕末の適塾の様な、松下村塾の様な、そんな空気感ってとても興味があります。
今で言うとオンラインサロンの様な取り組みも興味があります。
自分が進んで行きたい、実現したい自分像に向かっていけるような、そんな時間の過ごし方が出来たら素敵だなと思いながら。
文: スタッフ 長谷洋介