交換

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人に自分のことを理解してもらうっていうことを難しく感じる人って多いのではないでしょうか?

最近読んだ本(「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー)で「自分の事を理解してもらおうと思ったら、まず相手の事を理解するところから始めなさい。」という事が書いてあってなるほどなーと思いました。

サドベリーのスタッフとして子ども達と関わりながら、それぞれを尊重し合いながらあるという事は大事な姿勢だなと思っていて、自分の事を尊重(理解)してもらおうと思ったら、相手の事を尊重(理解)するところから始めるというのがスタート地点なのかもしれません。

自分の自由を認めてもらおうと思ったら、相手の自由も認めてあげる(自由の相互承認)ところから始める。

そういった気持ちの交換、情報の交換って大事なんだろうと思います。

ゲーム、特にメディアを使ったゲームは兎角大人から敵視されやすい存在かと思います。

「ゲームばかりして・・・」「子どもの時にゲームばかりしていると脳の前頭葉の部分の・・・」「ゲーム依存症が心配」・・・などなど

新田サドベリースクールでも色々な活動をして生徒たちは日々過ごすわけですが、ゲームが好きでやりこんでいる子もいます。

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にゃんこ大戦争、あつまれ動物の森、フォートナイト、マインクラフト・・・などなど楽しそうに日々工夫しながら、挑戦しながら、プレイしています。

(ちょっと前にNetflixの「ライバルはフォートナイト。すでに負けている。」との発言がニュースを賑わせましたね。面白い記事だなと思い読みました。)

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現に新田サドベリーに見学・体験に来る人の中で、「ゲームが気になります。」と入学や利用を控える人の数は多いと思います。

そんな状況をここに通う生徒たちも理解しながらも、それでもゲームはあった方が良いと判断し、ゲームも他の活動と同等に扱われ、共存しています。

僕も高校生まではそれなりにゲーム(ファミコン・スーファミなど)を楽しんでいましたが、今ではほとんどしません。

昨日Yちゃんが「一緒に荒野行動したいからダウンロードして。」と僕に言ってきました。子ども達も僕があまりゲームをしないということは重々承知した中で、そうやって声をかけてきてくれているのだからと、「良いけど、僕は超ヘタクソだよ。」と言いながらも携帯にゲームをダウンロードして一緒に遊びました。

以前も荒野行動をダウンロードして生徒と一緒にプレイしたことが何度かありましたが、とてもとても操作が難しく、思うようにキャラを動かす事が出来ません。今回も案の定すぐに死んでしまいました。

横で観ていたKtくんが「ちょっと貸して!Yちゃんと一緒にやりたい。」と言ってきました。僕は「いいよ。」と貸してKtくんは僕の携帯を使ってYちゃんとプレイしていました。

すぐに掃除の時間になったので、プレイは終わり携帯は僕の手元に返ってきました。

ゲームをしていても、ツリーハウスを作っていても、畑で作物を作っていても、ピアノを一生懸命練習していても、活動自体に優劣は無いと頭で理解していても心がザワッとして、そのザワつきをYちゃんに聞いてもらいました。

・僕の携帯(ゲーム以外に電話を受けたり、メールやラインの連絡を受けたり、他の機能をつかうこともある。)を生徒が使って手元から離れる事

・携帯の容量を使ってしまう事

・充電が減ってしまう事

・ちゃんと手渡しで返ってこないことがあること

などなど

Yちゃんも自身のswithを友達に気前よく貸していることなども思い出して、「自分のswithなのに自分以外の人がどんどん使ってなんだかもやっとしたことがある。」と伝えてくれました。そんなことについて2人でお話しました。

Yちゃんは「嫌だ。」って上手に断れるようになったらそのざわつきは小さくなっていったといっていました。「その後に、ごめんね。」って伝えると相手も傷つかずにお互い気持ち良くあれる、とも教えてくれました。

僕も、今後もし携帯を貸す事があれば、再度自分の引っかかりポイントを整理して、それを伝えた上で貸す・貸さないの判断をして相手に伝えるようにしたら良いなと頭が整理出来ました。

DSなどのゲーム機の貸し借りも行われます。

最近はKyちゃんやKhちゃんが「○○だからダメ。」などちゃんと具体的に理由を添えて断る姿もよく見かけます。

生徒間では、上手にそういったやりとりが行われていて、あと腐れなく尊重し合いながら存在しあっているのだと思います。

「ゲーム」ってなんとなく伝えることが難しい類いのもので、きっとこれを読む人も伝わらないことが多いのかなと思ったりしながら書いていますが、僕は昨日Yちゃんとそういう話が出来て本当に良かったなと思いました。

相手を理解しながら自分のことも理解してもらう。

子どもと大人と兎角分けてしまいがちですが、基本的に相手を個として尊重しながら、気持ちや情報の交換を積み重ねていくことが関係性を構築していく基本なのかもしれません。

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昨日も昼過ぎから恒例の鬼ごっこを楽しむ姿がありましたが、とても穏やかーな1日でした。

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Tnちゃんは色々なところに顔を出しては、色々な事に挑戦しているような気がしています。トランプをしていたら「私も入れて」と入って来たり、「カメさんゲームしたい。」と誘い合ってしたり、「洋ちゃんと二人でしたい。」としばらく僕と2人でトランプやカメさんゲームをしたり。

「七並べ」をしながら、マークや数字の並びなんかを意識しながらプレイしたり。

「お母さんに手紙を書く」と言って、たくさん絵を描いたり、まだ覚束ない字を並べてみたり。

好奇心・向上心・意欲をとても感じます。

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Kkくんのちょっとしたタイミングで薪割りが始まったりします。「普段よく歩くから下半身は鍛えられるとして、薪割りしたら上半身も鍛えられるかな?」とか言いながら。

みるみる薪割りが上手くなります。

薪が割れるたびにギャラリーから「おー!」と歓声が上がっていました。

子どもも大人もなかなか面白い学びがそこここに散りばめられている様な日常だなと思いますが、どうでしょうか?

答えは自分の中にしかないから、日々その答え探し&答え合わせです。

頭・心・身体、色々なところが刺激される日々です。

良い週末を!

文:スタッフ 長谷洋介