「ルール違反の紙を一緒に書いて欲しいんだけど。」Yくんがやってくる。
「いいよ。何かあったの?」と僕。
新田サドベリースクールにはみんなで作っているルール(校則)がある。
ルールと言うのは人を縛るものではなく、自由になる為に作られているものだと思う。
自分たちが自由に居心地よく過ごす為にそれぞれがルールを大切にしながら過ごしている。
Yくんはよくスクールでも「ルール違反だで!」と友達に言って回っている姿がある。
大抵は自分で考えだしたルールの時が多く、友達から「そんなルールないし。」と言われている。
今回もそんな感じかな・・・と内心思いながらYくんに向き合う。
紙を一緒に書こうとしたら「やっぱいい。」と言って去って行くのかななんて思いながら。
でもちょっと様子が違う。
「Tgくんが小屋のドアを開けっぱなしにしていた。」
って書きたい。
「ドアを開けっぱなしにしていたらダメっていうルールは無いけど、開けっ放しにしていたら何がいけないと思ったのかな?」
「ドアを開けっぱなしにしていたら、コンくんが外に逃げちゃうかもしれない。コンくんが逃げたら(飼い主の)唯ちゃんが悲しむ。」
とYくん。
「【人の嫌な事をしない、言わない。】っていうルールがあるけれど、じゃあそれのルール違反ってことかな。」
なんて確認しながら一緒にルール違反の紙を書いていく。
大抵の場合はルール違反の紙に書かなくても、当事者同士で声を掛け合って解決していくことが多いが、今回のYくんは毅然と紙に書き、所定の場所に貼るというところまでやった。
(翌日の)朝の会の後にルール違反があったら相談員が招集されてその問題について話し合う事になっているが、相談員を含めてYくんは再度想いを伝える。
話を聞く中で「いや、最後に小屋を出たのはSくんだからSくんがルール違反だと思う。」
と相談員のKtくん。
話を聞きあっていると、どうもYくんTgくんSくんが3人で小屋で遊んでいて、同時に小屋を出たのだけれど、その中で一番最後に出たのはSくんとのこと。
ルール違反の紙を提出したYくん含めて、「みんなで小屋を出るときにはコンくんが出ないように気を付けてドアを閉めるようにしよう。」と確認しながらスッキリした顔で出て行った。
相談員という第3者に話を聞いてもらう事、自分の抱えていたモヤモヤを相手に伝える事などの時間を通して気持ちの整理と他者との共通了解がとれてスッキリしたのだと思う。
Yくんにとってはルール違反の紙を書いてみたり、相談員含めて話をしてみたり、新鮮でいい経験だったように思う。
最初はテレからか、ふざけてきちんと話し合いに参加しなかったりしていたが、「自分で提出してるんだからしっかりと話し合いに参加しないとダメだよ。」と相談員のIちゃんに注意されたりしながらの参加だった。
ずっとずっとやってきて、ちょっとずつ自治が育ってきているように感じて、頼もしかった。
今年度は2回目のルール違反の会だった。
雨続きの日々で、「ザ梅雨!」って感じですが、トランプをして遊んだり、カルタをしたりと室内遊びをしながら過ごす事が多いです。
スマホやパソコンのゲームももちろん楽しいけれど、友達とワイワイしながら遊ぶのも楽しい。
むしろ後者の方を最近はより求めている子の割合が増えてきている様な雰囲気を感じます。
昨日はむうちゃん(子犬)もサドベリーにやってきました。
雨だったので小屋で過ごしました。
むうちゃんとコンくん(子猫)の組み合わせがとても愛らしいです。
コンくんはまだむうちゃんにビビッて隠れて出てきませんが、コンくんがフーっと威嚇するとむうちゃんもビビったりしています。
昨日はLaQで楽しむグループもありました。
みんなで関係を作りながら、話し合いの練習をしながら、過ごす1日1日がより豊かなものになっていきますように。
文:スタッフ 長谷洋介