たかみへ

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今年度初めに1人の生徒の発案で「個人の活動費」というものを設けることになりました。

(過去の記事→「課題解決と自発性」より)

今年度スクールにて計上されている活動費(24万円)のうち1部(5000円/1人)を個人で持つという仕組みですが、それを設けることによって新サ会で活動費の提案をし易くなったり、承認を得やすくなったら良いなという狙いから作られた仕組みです。

作ったはいいものの、結局誰も個人活動費に言及せずに9月も終わろうとしていた頃、Aちゃんが「個人の活動費を使って1500円で○○、1500円で○○のコスメを計3000円で買いたい。」という提案を出しました。

ずーっとメイクに興味を持ち、動画などを観ながら自分で研究したり、スタッフにヘアメイクしてもらったり、ネイルメイクしてもらったりしていたAちゃん。

活動費を使って意中のコスメを購入し、更にその研鑽に努めたいというような意志を感じました。

DSC_2169Aちゃんの説明を聞くメンバーたち。

(僕は前々からAちゃんから相談を受けていて、新サ会で提案してみたら良いんじゃないかな?と言っていたので、遂にその提案がなされて、メンバーで話し合う事になって楽しみにみんながどんな反応をするのか見守っていました。)

Kkくんの「それはサドベリーで使うの?サドベリーで使うのならば良いかと思うけれど、家に持って帰って使うのはどうかと思う。」という意見を皮切りに、

「何か活動を行うにあたって場所って関係あるのかな?サドベリーで活動していても、家で活動していても一緒じゃないかな?」

という意見が出たり、

「例えば1人でもしくは複数人でどこかの施設に行くとして、その施設の入場料を個人の活動費から出して欲しいという提案だったら、どうなんだろう?」

という問いかけに

「そういう場所とかどこかに出かけるのは良いと思うけれど、物を個人的に所有するというのはひっかかる。」

「例えば、数学にとても興味があって個人の活動費を使って個人的にその参考書を購入しそれを使ってサドベリーで勉強したり、家で勉強するという風に置き換えて考えてみたらどうだろうか?それが参考書でなくても例えばギターとか、プログラミングの教本だったりとか、その時その子が熱中しているもので・・・。」

など具体的に置きかえて考えてみたり。

「スクールから持ち出すときはみんなに声をかけてみるって言うのは?」という意見が出て、「1回1回みんなに声をかけないといけないの?」と反論があったり。

「新サ会でサドベリーでもそのコスメで活動できるし、家でもして良いというような合意がこの場で取れたら良いんじゃない?」というような意見があったり、「でも、Kkくんはそもそも個人的に所有するってところが引っかかってるんだよね?」などKkくんの引っかかりを考慮する様な発言があったり。

「例えば個人の活動費で購入したものを、スクールを離れる(辞める)際にはそれはその子が持ち帰るのか、それともスクールに置いて行くのか。もし持ち帰るということだったらば、購入した時点から持ち帰っても良いんじゃないか?スクールに置いておくとかだったら、果たしてそれを使う人がいるかな?」

なんて疑問があったり。

すごく盛り上がり、面白いテーマだなと思いながら書記をしていました。

他の議題もあったりして新サ会の終了予定時刻(14時)も過ぎたりして、この議題に関しては翌日の臨時の新サ会に持ち越しになりました。

もっと活動費を使いやすくして自分たちの活動を活発化したり、日々過ごすスクールの時間が豊かになればという想いで創設されたであろう「個人の活動費」。それをどう運用していくかは、ホントに議論しながら使いながらなんだろうなと思います。

自分はそのお金を何に使うのか。

自分はこのスクールで何がしたいのか。

日々自分はどう過ごしていきたいのか。

予め細かく設定されたプログラム(カリキュラム)に乗っかる環境では考える機会が少ないようなこのような事を考える事って貴重なことだと感じます。

時に立ち止まってこのような話をするのは、それぞれにとっても刺激的なのではないでしょうか。

一度頭を落ち着かせて、気持ちと情報の整理をして、また本日話の続きが行われる予定です。

新田サドベリースクールって何だろう?

活動費ってなんだろう?

何で自分はこのスクールに通っているのだろう?

このスクールに通う事の強みってなんだろう?

お金ってなんだろう?

相手を尊重しながらも納得し合う経験

「そもそも」の部分を見つめる経験とそれを他者と共有出来る環境。

より良く生きたい

人間が本来もっているであろう欲求を丁寧にこれからもスクールを通じて追及していけたら幸せなことだろうと感じます。

文:スタッフ 長谷洋介