ひとふくろのポテトチップス

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先週こんなことがありました。

「お腹すいたー。さとちゃん、何か食べるものない?」と1人の女の子。

(冬になるとなんだかお腹が空きます。本能的に脂肪を蓄えようとしているのでしょうか。)

「あそこの棚にこの前のお泊り会の時に余ったポテトチップスがあったよね。あれみんなに聞いて良ければ食べたら?」とさとちゃん。

「えー 良いの? でも絶対男子がダメって言うしぃ」

そのやりとりに近くにいた女子たちも集まってくる。

「なになに ポテトチップス食べるの? 良いの? 私も食べたい!」

「男子がいつも決めていてズルイ! 別にポテトチップス男子のではないし、こんなに食べたい人がいるんだからみんなに聞いて食べたらいいじゃん!」

「そうだ そうしよう そうしよう」

と2階のロフトで過ごしているメンバーのところにポテトチップスを食べて良いか聞きに行く女の子たち。

すると、2階の男子たちは

「だめー。 絶対だめ。 それは今度のお泊りの時に食べるやつだから!」

「えー なんで? なんで勝手にそうやって決めるの?」と女子。

男子が良いと言ったものは良くて、ダメと言ったものはダメという風になることに納得のいかない女子たち。いつもそうなんだよー と結構感情的になって

「2階の男子のところに多めに持って行ってあげて一緒に食べよ!って置いてきたら大丈夫だよ!」とさとちゃんの言葉もあり、

「良いのかな 良いのかな。 さとちゃん一緒にあけよ。」と慎重にポテトチップスの袋を開けてお皿に取り分けて「みんなで食べよ!」と持っていく女の子たち。

反対していた子たちも、もう開けちゃったのだからと食べる子もいましたが、「なんでダメって言ったのに開けてるの?信じられない!」と怒って結局食べなかった男子も2人いました。

これはちょっと問題だよね!ってことでその男子2人が「ルール違反の紙」に事の顛末を記入して話し合いの場が昨日持たれました。

【男子2人】

・みんなのお金(サドベリーのお金)で買ったポテトチップスなのに、みんなの合意がないままに食べるのはいけないことだと思う。(人が嫌なことをしない、言わないというルールがあります。)

(前回のお泊りの時に、残ったポテトチップスは次回のお泊りの時にみんなで食べるように残しておこうと言ってそれでみんなの合意をとったはずだ。)

【食べた人たち】

・次回のお泊りで食べると決めた記憶がない。そんなこと聞いていない。知らなかった。

・食べたい人たちが過半数いたのだから、食べても良いはず。

・最初は反対していたけれど、もう袋をあけて前に出されたので食べた。

 

色々とそれぞれの思いを出し合って、それぞれの思いを聞いて、とポテトチップス1袋の事だけれど40分くらい話合った。

・たとえ10人中8人食べたい、2人は今食べたくない(とっておきたい)となったときも、全員の合意がなければ食べない方が良いのではないか。少数派が我慢するというのはおかしい。きちんと意見の交換が出来ていなかった(途中から感情的になっていた)のが、今回いけなかったこと。→意見が対立したときは丁寧に話し合いの場を持つべき。

・食べた人が提案した解決策として、「その分のポテトチップスを食べた人たちで買って戻しておくから」ということに関しても、「元に戻して済むという話ではない。そういう風にしたら今後も勝手な人たちが出てくる。共有物(みんなのもの・こと)に関して関係する人たちに合意をとらずに、勝手に進めたことが問題なのであって、ポテトチップスを元に戻してほしいという議論をしているわけではない。

・男子が提案した解決策として、「次のお泊りの時に、今回食べた人たちはお菓子を食べることが出来ないという風にしたい。」という案に対しても、「今回食べたポテトチップスは1袋だけなのに、次回のお泊りのお菓子全部食べてはいけないというのは、量的な意味を考えても不公平だと思う。」と反論。

結局、お菓子と関係ないところで罰を設定したら良いのではないかということで、みんなで話し合って

「缶のごみ箱を作り、週に1回当番を決めて缶を捨てに行く。」

(今現在は、缶の捨て方がなっていないので、ゴミ箱を設置せずに、自分でゴミステーションに捨てに行くか、持ち帰るという風になっています。)

という風に決まりました。

話し合いの中で、全体に関わることはちゃんとみんなで合意してから進めていくこと・意見が対立するような時はしっかりと意見を伝え合う(感情的にならずに)を、全体の場で(今回ポテトチップスに関わったのが全員だったので)確認出来ました。

ポテトチップス1袋でしたが、色々な話をみんなで出来てとても有意義でした。

「みんなの場所」「みんなのルール」「みんなが居心地良くあるために」を大きい子中心にとても身にしみ込んでいっている感じを最近強く感じていて、僕自身ここにいて居心地良く感じますし、子どもたちの成長に頼もしさを感じています。

文章ばかりで伝わらない部分も多々あるかと思いますが、すごいです!サドベリースクール。