最近の新田サドベリースクールは欠席者が多く静かです。
そんなある日、3人の生徒が欠席中の生徒について話を始めました。
「あいつ、うざいでな~。」「あいつがいないと、せいせいするわ。」などなど。
その様子を見ていて気に入らなかったら、「人の悪口を言ってはいけません!」と、一喝するという方法もあるでしょう。
でも、彼らは彼らなりの考えを単に口にしているだけであり、特に「悪口を言っている。」という意識はないのかもしれません。
大人だって数人集まれば、「あの政治家は気に入らん!」とか、「こんな上司がいてほんとにウザくてさぁ。」などと、口にするものです。その瞬間に、自分は悪口を言っているという意識はきっと、ないのだと思うのです。
そんな時第三者から、「悪口を言うのはよくないと思うよ。」といわれたら…大人である我々はどう反応するでしょう。
「相手は子どもなのだから、『〇〇してはいけません!』と言ってしまえばいいじゃないか。」という価値観でいたら、サドベリースクールの日常は成り立ちません。
サドベリースクールには、スタッフも生徒も対等な立場に立って意見を言い、物事を進めるという文化があります。スタッフにとっては、「もしも目の前の生徒が自分の友人だったら、この場面でそんな言い方をするだろうか?」と、日常的に自分の価値観や先入観を問われる機会にあふれる場でもあります。
冒頭の、不在の生徒についてそれぞれに「見解を述べていた」生徒達に、私も自分の「見解を述べ」てみました。
「あのねぇ…その子は私の大切な友達だから、みんながその子のことをそんな風に言っているのが、私には耐えられないよ。」
生徒の話が途切れ、
「なんか、ひとりだけ…(正義の味方)??」と言われましたが、もんもんと胸に抱えているよりは、言えてよかった。
大人だろうと子どもだろうと、大勢の中で違う意見を表明したり、胸に抱えている気持ちを表現するのは勇気のいるものだと思います。
新田サドベリースクールでは、みんながお互いに日々勇気をだして、「自分自身を生きる」姿を見せあっています。
写真は、新しくできたターザンロープ兼ブランコです♪