過日、保護者さん企画による勉強会が開催され、わたしも参加してきました。
『新田サドベリースクールの保護者として、このスクールが良いと感じて通わせているけれど、「サドベリースクールって何なの?」と聞かれたときに 明確な答えが持てていない。やっぱり良いんだ!ということ伝える言葉を増やしたい。
同じ本・同じひとつの章でも、人によって様々な捉え方があっておもしろいなという学生時代の体験から、輪読会という形で勉強会を計画しました。』
と、会の始まりにその保護者さんの思いを聞いてからのスタートでした。
アメリカの心理学者ピーター・グレイ氏の著者『遊びが学びに欠かせないわけ 自立した学び手を育てる』を手に、子どもたちにとって遊びの重要性、本当の学びとはなにか?を考えていく時間。
当日は、プロローグと第1章。
わたしが印象に残ったのは、〜第1章 人生に必要な知恵はすべてルービー・ルーから学んだ〜 のなかにある、幼いころの著者がルービー・ルー(通り向かいに住んでいた著者より少しだけお姉さんの女の子)から 自転車の乗り方を教えてもらうシーンです。
そのなかで、彼女は次のような言葉を 幼き著者にかけます。
『あなたはうまくなっているし、すぐに倒れることなく「どこまでも」乗れるようになる』と。
わたしは、このシーンで【褒める】ことと【信じる】ことの明確な違いを感覚的に捉えることができたうえ、スクールでのひとつの活動を思い出しました。
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Sちゃんは、その日、逆上がりに何度も挑戦していました。
失敗するたび「も〜〜できな〜い」「なんでできないのーー」と悔しがったりうな垂れたり。
Sちゃんに対して わたしがしていたサポートは、望まれたタイミングでの手添えと「今、足がここまで上がっていた」「ひじがぐっと引き寄せられていた」と、すでにできていることを 本人が客観的に自覚できるように、言語化して実況中継することでした。
そしてその日、初の逆上がりを成功させたSちゃん。着地後、ぴょんと跳ねてバンザイした両手とハイタッチしたときの彼女は、ぱぁッ!!と目を輝かせ、満ち溢れた表情を見せてくれました。
「ねぇ、まさちゃんどうするの?」「どうしたらできるようになる?」「(お手本)もう1回やって見せて」はじめのセリフと同じくらいそう言い続けいていたSちゃん。
あの時のわたしは、Sちゃんは逆上がりができると 分かっていました。
そうか。あれが “ 褒めるじゃなくて信じる” だったんだな…と、時間差で体感したのです。
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遊んでいるのか学んでいるのか、実はこれって 外から(第三者)は まず判別できないだろうな…と 思うこのごろ。
実は 当人にも、その体験の最中には 遊びとも学びとも判別などついてないんだろうな、とも 感じています。
今は、今すぐには、判別のつかない そのものを 日々日々 時間を重ねていくこと、そこで感じたり考えたりしたそのものが、いつかどこかのタイミングで (それこそ無意識化で) 学びに転換されるものなのかもしれない。と、そんな風に今は考えています。
次回の勉強会より、参加対象を拡大して開催するとのことですので、また、こちらでもお知らせさせていただけたらと思います。
スクールが窓口となりますので、ご興味あります方は お問い合わせくださいませ。
文・スタッフ 松本雅子