新しい関係性のなかで

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小規模なスクールですので、新しく仲間が増えるという環境の変化は子どもたちにとっても大きいもので、日々の活動にも変化が生まれます。

既存の公教育とは大きく異なる環境でもって運営しているスクールなので、利用される前に時間をかけて見学してもらって、体験してもらって、お話させてもらって利用してもらうようにしています。

それでも4月に入ってからも数組、興味を持って足を運んでもらっています。

Yくんは5月から体験に来てくれて、今は準メンバーとしてほぼ毎日新田サドベリーに通ってきています。

DSC_0062周りの生徒がどのように時間を過ごしているか観察したり、家から持って来ているドリルに取り組んだり、スタッフの僕に「ねぇ散歩に行こう!」と誘っては散歩に出かけて近所を散策したり。

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ちょっとずつ新田サドベリースクールに馴染み、新田に慣れ親しんでいっているのではないでしょうか。

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先日は「妹のために」とグミの実を採って持ち帰っていました。

「あそこのグミの木はパン屋さんのものだよ。グミの実を採るならパン屋さんに聞いてからがいいね。」と話をすると、「えぇ、恥ずかしい。」と言いながらも、でもパン屋さんに出かけていって、話をする姿もありました。

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僕には強めの口調で話しかけてくるYくんも、1個年上のTくんには気を遣って話をする姿もあって、その使い分けが可愛らしく楽しくもあります。

外にキイチゴを採りに行く

外に探検に行く

とYくんが言う時にはTくんも割と同行して一緒の時間を楽しみます。

ちょっとした気分転換になるのかな。

先日近所の山に探検に行ったときは、「Y、そこの木を掴んで、次はここに足をかけてこの木を掴む」なんてTくんからYくんへのアドバイスにYくんは「はい」と応えたりしていて、今まで最年少だったTくんがしっかりお兄さんしているなぁと感じました。

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段々と受け継がれていくものもあるのでしょう。

子ども同士で交わされる会話なんかから、残っていくものはたくさんあります。

なるべく子ども時間がたくさんあったらなと思っています。

新田サドベリーが始まった当初は、生徒が6人、スタッフが2人ということもあってどうしても大人の存在が大きかったり、子どもと大人の線ばかり目立って、子ども同士の線がもっともっと増えていったら良いなと思っていたことを折に触れては思い出しますが、今ではだいぶ「子ども時間」「子ども同士の線」が増えていっているなと感じます。

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Tくんとの時間は一例ですが、KyちゃんとYくん2人でハンモックで遊ぶ姿や話をする姿も見られたりして、とてもいい感じです。

1人増えるだけで、環境が変わって、活動にも変化が生まれて。

生徒の存在って大きい。

今も1人~2人興味を持って見学・体験に来てくれている子がいますが、ちょっとずつ仲間の輪が広がっていったら良いなと思います。

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この前の日曜日は新田集落の惣事に生徒有志・スタッフ有志で参加させてもらってきました。

生徒からはYちゃんとKくん、スタッフはまさちゃんが参加しました。

建物の補修をしたり、掃除をしたりしました。

男衆は外で草刈りをしました。

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暑くなってきて良く使うようになってきた親水公園ですが、きれいに草刈りされてまた気持ち良く利用できるようになりました。

地域行事にもどんどん触れていき、交じり合っていけたら良いんじゃないかなと思います。

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Cちゃんの提案で掃除当番・掃除場所の改定が行われました。

多くの生徒の興味関心をひく議題にはすごい食いつきでみんなで寄って話をします。

今回もまたあみだくじで掃除当番の班を決めました。

めちゃくちゃ盛り上がりました。

掃除時間が2時45分~というのが、3時~3時15分というふうに改定され、3班あった掃除当番が2班編成になり、掃除場所も少し見直されました。

3時になったら活動の手を止めて、掃除当番以外の人も掃除に協力して、みんなで掃除に取り組むという風に決まりました。

今では3時になったら、主体的に掃除の時間が始まります。

僕もよく「掃除の時間だよ!」と声を掛けられ、作業を中断させられます。

開校当初は「どうしたらみんなで掃除に取り組めるか?」と頭を悩ませていたのを懐かしく思い出します。

「掃除だよ!みんなで掃除しよ!」と何回も何回も声をかけていたのが、逆に声をかけられるようになってとても嬉しく感じながら、3時からの掃除の時間を一緒に楽しんでいます。

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畑チームも色々試行しながらKくんを中心に活動を続けています。

先日は大豆の種を畑にまき、プランターにも補植用にと種をまきました。

僕も請われてメンバー入りしていますが、どのように関わったら良いか一緒にコミュニケーションをとりながら共にありたいと思っています。

いつもいつもやりすぎないように

不足しないように

「過不足の無い関わり」を僕自身のキーワードとしてやっていますが、試行の連続です。

対話を大事にこれからもやっていきます。

梅雨に入りましたね。

室内での活動が多くなるでしょうが、裏の小屋をきれいに片づけて勉強小屋にしたり、さとちゃんに勉強を教えてもらう外部講師として新田に来てもらえるように調整するグループがあったり、環境もちょっとずつ変化してきています。

「学校に行っていても勉強とかで頭使うんだろうけれど、サドベリーに通っていても色々と考えることがあって頭使うわー」のTくんの言葉が印象的でした。

「暇だなー。何しようかな。」

そんな暇な時間との向き合い方、自分と向き合う時間

そんな時間も実はとても貴重で贅沢な時間なんだと思います。

なんでもバランスですね。

ちょうどいいバランスをこれからも生徒たちは日々の生活の中で見極めていくんだと思います。

【文 長谷洋介】