お菓子チームのその後

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どれくらいこの気持ちが伝わるだろう。

そう映画上映を行うに際して「お菓子を作って売りたい!」と提案したTくん。それに賛同した他の生徒達。

夏休み前からスタートした話し合いは、映画上映日が近づくにあたってどんどん加速し、頻繁に集まって話し合う姿が見られるようになった。

自分たちでどんなお菓子をどれくらい作るかを意見を出し合いながら話し合う姿はとても主体的で活発で見ていて清々しいものがあった。

大人スタッフがその話し合いに参加することは無く、たまに「保健所への手続きどうしたら良いかな?」という相談があった程度。

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そうして上映前の5日間を使って、お菓子の製作所として新田の公民館をお借りしてほとんど朝〜夕方の掃除の時間までをその施設で過ごした。

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やってみると、大変な事ももちろんあって、クッキーの大きさがまちまちだったり、割れてしまったり、袋に入りきらなくて個数が揃わなかったり

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訳あり商品として売ったら良いんじゃない?と値段設定を再度頭を突き合わせて行ってみたり。

作業するに当たって、話し合いから参加していたメンバーもいれば、「売り上げがお小遣いになるんだったら」と途中からメンバーに入る生徒がいたり。

やり始めてみたら、一生懸命取り組む子がいたり、「ちょっと休憩」とロッジに帰ってそのまま戻ってこないという子がいたり。

取り組む姿勢がその子その子によってまちまちというのも、側から見ていたらなんかハラハラすることがあったり。

248360876_1270723043371423_3372525079967152532_n兎にも角にも無事なんとか当日を迎え、多くのお客さんに買ってもらうことが出来て、午後の回が始まる頃には残りはクッキーを20数個残すのみとなっていました。

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最初から熱心に参加していたYちゃん。お菓子の売り上げを分配している最中に、みんなが熱心にお金を勘定したり、分配方法について協議しているときに、まさちゃんが「一番楽しい時間だよね。」と声をかけると、「いや一番楽しいのはお菓子を売っている時だよ!」とのこと。

自分たちが丹精込めて用意したお菓子がたくさんの人に買ってもらうことが出来て、しかもきちんと完売してそれはそれは良い時間になったことでしょう。

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翌日はスクールに帰ってきて、集計作業と、かかった経費をスクールに返金して利益計算。

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全体の利益が出た後に、それらをどう分配するかの話に移る。

話し合いに参加していないYくんとTくん

お菓子製作にめちゃめちゃ頑張っていたメンバー、そこそこ頑張っていたメンバー

色々な関わり方があった中で、どう分配するのかなぁと関心を持って覗いていたら

Yちゃんが

「どれくらいの働きをしたと思う?話し合い、作る、売る、全部の行程でどれくらい頑張ったか。遠慮しないで自分の気持ちで言って。」

と、するとKくんは

「5000円!(当初の分配予定額。5000円と聞いてKくんは作る行程から参加。)いや、4000円かな。・・・でもやっぱり4500円!」

するとYくんは

「みんなより1000円〜1500円低いくらいかな。」

とその声を受けて、また再度話し合いメンバーで数字を確認しながら、担当した作業量などからKくんを中心に算出した感じ。

それで最終的には、4500円〜5700円くらいの分配金に決定した様です。

最初から最後まで自分たちで納得のいく形で、話し合い、作業し、売って、売り上げを分配し・・・。

その方法も面白いなと思いながら見ていました。

みんなの顔からは充実感と達成感が溢れていたように思います。

儲けたお金でどうするのか、それぞれで色々と構想がある様でした。

僕は、小学生の頃に「ズッコケ3人組シリーズ」を好んでよく読んでいました。多くのストーリーは既に忘れてしまったのですが、その中でも当時も今も印象に残っているのが、ズッコケ3人組が株式会社を作って確かラーメンなどを売って、その売り上げを最後みんなで分配して・・・というようなストーリーで、まさにそんな世界が今回新田サドベリースクールでも見られたなという風に感じました。

お菓子作りに関わった生徒達は、分配金以上に何か尊い経験をたくさんしたように、そんな風に思ったお菓子作りチームでした。

文:スタッフ 長谷洋介