今週から、新田サドベリースクールの新しい1年が始まりました。
つい先日まで残っていた雪もすっかりなくなり、雪柳や桜の芽がふっくらとふくらんでいます。
近隣の小学校や中学校で入学式や始業式を迎える子どもたちが多い中で、また次の1年もサドベリースクールで過ごそうと決めた生徒のみんなの気持ちの中には、どんな思いが浮かんでいたのかなぁと、春休みの間考えていました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
平成16年に閣議決定された「不登校児童生徒等を対象とした学校設置に係る教育課程弾力化事業」により、いわゆる【学びの多様化学校】が全国に増えています。
令和7年度の設置状況は、全国に58校となり、政府は将来的に全国に300校の設置を目指すとしています。
※学びの多様化学校の設置者一覧(文部科学省HPより)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm
【学びの多様化学校】の多くが学校の空き教室を利用して開校され、1時間目から5時間目など時間割もしっかり区切られて、先生による授業などが行われているのに対し、新田サドベリースクールには決められた時間割がありません。
生徒は開校時間中であればいつでも好きな時間に登校することができ、好きな時間に家に帰ることができます。
開校時間中は何をしても、何をしなくても良く、すべての時間の使い方は完全に個人に任されています。
この大きな自由と責任の中で、生徒は自分の興味と関心にじっくり向き合い時間をかけて「自分とは何か」を探りつつ、他者との関係を築いているように見えるのです。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
今日登校していた生徒のひとりは、よもぎ、雪ノ下、つくしを採って天ぷらにしていました。
☆Before☆
☆After
小麦粉と水を溶いて衣を作り、火の調整をしながら順に揚げていく10歳男子の姿はまるで職人!
学校の教科にあえて彼のこの活動を当てはめるとしたら、生物、化学、家庭科...などになるのかもしれませんが、サドベリーの生徒たちにとってはそんなことは重要ではありません。
私たちの生きている世界は、教科書通りには進まないもの。
今この瞬間に起きていることに、自分の知識と経験を頼りに全力でぶつかりつつ、他者の助けを上手にかりて新しい経験にする。
そんな「生きる力」を、今日もサドベリースクールの生徒たちは身につけています。