「不登校」について前回記事を書いたが、そこで盛り込みたかった話題がこのお金の話です。上手に盛り込めなかったので分離して別で書きます。
普段あまり意識することがないと思われる、普段自分たちの生活にどれくらいの税金が使われてサービスを受けているかという話だが、その受けている恩恵の1つに公教育に子どもを通わせている家庭では児童1人につきざっと小学校で80万円、生徒1人につき中学校では100万円、税金が投入されている。
公立の小学校・中学校に通っていればそれらの恩恵を受けることが出来る訳であるが、「不登校」となるとなかなかそうはいかないのかもしれない。
お金のことを考えると、なんだかもったいない、損しているように感じるが、それでは「不登校」の子に対して80万円相当の支援(サービス)があるだろうかと考えてみるとどうだろうか。
僕は実際のところは分からないが、見たり聞いたりしている限り子どもや家庭が満足するような支援・サービスは不足しているように感じる。
僕も県立の高校での勤務経験があるが、現場の職員のみなさんは日々の業務に真摯に向き合われ、目の前の子どもたちに熱意と愛情を持って接しておられるかと思うが、学校に通えていない児童生徒に対してなかなか時間とエネルギーとが割けていないというのが現状ではないだろうか。
そういったことを考えたときに、全国に数多くいる「不登校」の子どもたちの為の施策、サービスというものももう少し幅を持たせて構築していくべきではないかと思う。
(現に文科省も平成27年に初めて本格的にアンケート調査をしています。)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tyousa/1360614.htm (文科省HPより)
(また「教育機会確保法」という法律が今年施行されて子どもの多様な学びを認めて行きましょうという流れでもある。)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380952.htm (文科省HPより)
全国に約500あると言われている、不登校児童生徒が利用する民間のフリースクール
財政難の中、保護者やスタッフの想いで運営しているというところがほとんどという状況です。
そういったところに効果的な財政支出をして連携していくというのが、1つすぐに思いつくことだと思います。
ただ、よくある議論の1つとして、「フリースクール」と一言で言っても、千差万別で十把一絡げに出来ないところがあって、どのように支援していくかというのは丁寧に考えていかないところだとも思います。
(ドイツから視察に来てくれた人は、ドイツのフリースクール認定には割と細かく条件があって、それをクリアしないと開校出来ないという話を聞きました。公的資金を投入すると制約も出てくるので公的資金の投入は慎重にしているというフリースクールも多数あるかと思います。)
何はともあれ、まだまだ考えていくこと、取り組んでいくべきことがたくさんあって、ひとつひとつ出来ることを積み重ねていくしかないなと思いながら送る毎日であります。
新田サドベリースクールも前回の「しんさ会(新田サドベリースクール会議)」でwebページに「寄付・寄贈のお願い」を載せようと決まりました。
こちらの方もどうぞよろしくお願いします!
(文:長谷洋介)