フリースクールsを訪問してきました

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鳥取県には県からフリースクール助成をもらっている施設が4つあります。

東部に2つ、中部に1つ、西部に1つ(新田サドベリースクールは未だ助成対象外です。)

去年度の10月25日、文科省からの通知で今までの「不登校児童生徒への支援の在り方」の指針に(個人的には大きく)変化があったと感じています。

それまでの「学校復帰を前提とした」という文言が無くなり、生徒にとって休養の意味があることであったり、フリースクールなど民間施設との連携であったり、児童生徒本人の希望を尊重した上で教育機会の確保だったりと通知を読むと、色々と公的機関と民間施設の連携を推進し多様な学びの環境を社会で整備しつつ生徒の主体的な学びの場を認めていく流れの様にも感じます。

(もちろん児童生徒が学校に毎日楽しく変える様な魅力的な学校つくりが現場関係者には求められているわけですが。)

「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日

私自身も、現場の先輩から比べたら十分な経験を積んできたとは言えないかもしれないですが、それでもある一定数の子ども達と関わる機会をいただき、そして新田サドベリースクールのスタッフになってからも一定数の子ども達やその保護者さんとお会いする機会をいただいています。

本当に多様な子ども達がいる中で、学校がその多様性を全て過不足なく受け入れられるような環境が整っていればいいですが、現状それは難しくて、一定数の子ども達が大なり小なり学校でストレスを感じていたり、息苦しさ、居心地の悪さを感じているというのが現状だと思います。

社会が子どもを育てる「装置」として学校という存在は大きくそして大事なものだと思います。

ただ、そこにそぐわない子ども達に対してもっと社会は寛容に、多様な学びの場と機会を提供していけたら良いのではないかと考えています。

コロナの件でオンライン学習にもスポットライトがあたりました。家で学習するホームエデュケーションを支える仕組みが充実しても良いかもしれません。フリースクールやオルタナティブスクールなどの子ども達の学びの場、居場所がもっと認められても良いかもしれません。私たち大人に出来ることはまだまだたくさんありそうです。

社会を作っていくのは人です。

その人をいかに育てていくか、私たち大人はもっと真剣に考え、そしてチャレンジするところは積極的にチャレンジしていくべきです。

それは1人1人のお父さん・お母さんもそうですし、学校の先生はもちろんですし、地域のおじちゃん・おばちゃんもそうかもしれませんし、僕たちのような民間施設の職員もそうだと思います。

大人たちが積極的に社会課題にチャレンジする姿を見て子ども達は育っていきます。

積極的に挑戦する人に育って欲しいと願うならば、大人もその姿を見せなくてはいけません。

早く処理する事、なるべく間違いを起こさないこと、従順であること、たくさん作業する事

というのが一昔前の1つの価値だったかもしれません。

ただ、それらはAI(Artificial Inteligence)が最も得意とすることです。

楽しむこと、新しい事、チャレンジする事、好きと思える事、異なる事、課題だと思う事

そんなことが今後ますます価値を持ってくるかもしれません。

前置きが長くなりました。

鳥取県中部の北栄町にありますフリースクールsさんに訪問に行ってきました。

民間のフリースクールが行政と連携して、「不登校」の子の学び場を提供している施設です。

(学校に通っていない・通えていないという事が子どもによっては大きなプレッシャーになっていることがあります。公的なお墨付きがあることで、そのプレッシャーは大きく軽減されることと思います。(周囲(親戚・地域の目))

フリースクールs

25年前に始められた学習塾がスタートで、今では阪本進学教室がフリースクールsを運営しています。

フリースクールsは6年前に誕生しました。

理事長の阪本先生に案内していただきました。

このフリースクールの凄いところは行政との連携です。

北栄町にありますが、北栄町からこのフリースクールsに通う児童生徒には学費(20000円/月)が家庭の経済状況によって全額補助されています。去年度は一部でしたが、今年度から全額の補助になりました。それにならって近隣の自治体(琴浦町)でもフリースクール助成が始まりました。

学校に通っていたら受けられる支援が、学校に通わなくなった途端に受けられなくなるというのが今の日本社会の常です。

学校に通っていても、通っていなくても(不登校)、子どもの学習権が保障されて然るべきだと私は思いますし、そういった心意気が北栄町を中心に感じられて胸が熱くなりました。

阪本先生はこの取り組みが県内全域に広がったら良いなと活動されていますが、その想いと活動に100%賛同します。

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フリースクールsさんでは午前中は座学、午後からはレクリエーションという1日を過ごしている様です。

高校と同じ施設内にフリースクールがあるので、阪本進学教室の先生が順番に午前中の教科を担当していました。

高校がすぐ近くにあるので、施設を共有できるというのも強みだと思います。

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ジムがあったり、DSC_1724

調理場があったり

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集会室のような大きな部屋があったり。

午後からはここで卓球をしたり、パターゴルフをして楽しんでいました。

理事長の阪本先生はもともと中学校の英語の先生で、その後学習塾を始められて、という背景を持ちながら、不登校の子に学校とは違った緊張感の少ない環境で基礎学習を大事にしながらとフリースクールを始められて今の形があるようです。

新田サドベリースクールはフリースクールsさんとはまた違ったスタイルですが、地域に色々な育ちの場、学びの場があることが大事だろうなと思います。

鳥取県には「フリースクール連絡協議会」というものがあり、横の繋がりで色々と協働することがあるようです。

今は県内3施設がその協議会に加盟していますが、フリースクールsの阪本先生がその協議会の代表です。

色々と情報交換しながら、新田サドベリースクールも鳥取県の多様な学びを推進していく一助になれればなと思える一日でした。

阪本先生の熱い思いに触れて胸が熱くなりましたし、私の想いにもとても共感してくださりとても嬉しい気持ちになりました。阪本先生、生徒・職員のみなさまどうもありがとうございました。

今日はこれからスクールメンバーと昨日のフリースクールsさんについての情報の共有とレポートの提出があります。

未来がどうなっていくか分かりませんが、子ども達と一緒にあれたら幸せだなと思います。

もっと楽しく愉快に もっと軽やかにしなやかに

文:スタッフ 長谷洋介