新田サドベリースクールには全国から問い合わせがあります。
その中から何組かが見学に来たり、その後の体験に繋がったり、そして良いなと気に入ってもらったら入学という流れになります。
大阪の小学校に在籍しているSくんは学校に行きづらくなり、今現在は祖父母の実家に帰省しながら新田サドベリースクールに仮入学してスクールライフを味わってくれています。
昨日、在籍する担任の先生から電話があり、Sくんのスクールでの様子や学習の様子などを共有する機会がありました。
担任の先生もとても心配されていたようで、電話口でSくんが元気にスクールで過ごしている様子を伝えるととても喜んでおられました。
話の中で「普段はどのように過ごしていますか?」「週に3日程度登校していると聞いていますが元気に過ごしていますか?」「スクールには今現在何人くらいの生徒が通っていますか?」などいくつか質問があった後に、
「通って来ている生徒は出席扱いになっていますか?」
との質問があり、「今現在はどの子も出席扱いにはなっていません。」と伝えた後に、
「Sくんは新田サドベリースクールに登校した日は出席扱いになりますので、出席した日を教えてもらう事は出来ますか?」と担任の先生。
一瞬でパッと目の前が明るくなった気がしました。
「他の子ども達が通う学校の校長先生は新田サドベリースクールに通う子ども達を出席扱いにしていませんが、Sくんの学校の校長先生は出席扱いにしてくれるんですか?」と重ねて尋ねると
「ええ、そのように校長から伺っています。」とのこと。
もう嬉しくて嬉しくて、すぐに校長先生とお話が出来るか問い合わせてみると「良いですよ!」とのお返事。
電話口で色々と校長先生のお話しを聞くことが出来ました。
「教育委員会と協議の結果、Sくんが新田サドベリースクールに通った日は出席扱いにすると決めました。」
「僕は学びの場は学校だけでないと思っています。」
「家にずっと引きこもっていることを思えば、どこか元気に通う場所があるだけでとても素晴らしいことだと思う。」
「Sくんも校長室などに登校して、ちょっとずつクラスに戻れるようにやっていた時期があるけれど、ちょっと急ぎすぎてしまったのかもしれない。あるときから学校に来れなくなってしまって、僕の反省です。」
「文科省も学校以外の学びの場を認めていく様に通知を出しています。そういった民間施設(フリースクール)と連携していくことが重要だと思います。」
「鳥取の方は出席扱いが認められてないんですか?大阪市の方は認めるのが一般的だと認識しています。」
「カリキュラムだなんだとあるかもしれませんが、その子がその子らしく元気に過ごす事が一番だと思います。」
もう電話口で涙がこぼれそうになりました。
「そうですよね。」「そうですよね。」今まで欲しかった言葉が校長先生からいただけて、何より校長先生がSくんのことを第一に思っておられることが感じられて、とても嬉しく思いました。
「出席扱い」にすることでSくんにとってみたら物理的に何がどう変わるものではないかもしれません。
(在籍する)学校に通っていない。学校に通っていないけれど祖父母の家の近くにあった新田サドベリースクールに通っている。
今までの日常と何も変わらないかもしれないけれど、
新田サドベリースクールに通った日は、在籍している大阪の小学校で出席扱いになっている。
校長先生も、担任の先生も自分(Sくん)の事を気にかけてくれている、応援してくれている、そんな風に思えたら気持ち的にだいぶ励まされるところが大きいのではないでしょうか。
もう少し言えば、出席扱いになっていると、「実習定期」というものが発行され、定期券に学割が効くようになります。
日々の通学のことを思えば学割が効くだけで家庭の負担は軽減されます。
学校に通いづらい思いをしている子が、他の民間施設に通うとなると、新たにそこに「学費(会費)」が発生し、そして家の近くにない場合には交通費もかかってきます。
そこをどうサポートしていくのか、そんなことを社会で考え支えていくことが大事だと思います。
大阪市は認めてくれました。
今後も、智頭町、鳥取市、西粟倉村など新田サドベリースクールに通う生徒が在籍する校長先生にも働きかけていきたいなと思います。
Sくんの校長先生の言葉に励まされ、勇気をもらい、温かい気持ちになった昨日でした。
(きまぐれ今日の)紹介記事:
【まとめ】不登校の選択肢と親ができる3つのこと! 学校は行きたいから行く場所
https://ai-am.net/choices
(新田サドベリースクールにも来てくれたことがあるよっぴーの記事です。)
文:スタッフ 長谷洋介